第六十二話 ページ14
伊作 「綾部、彼女を離してあげて」
喜八郎 「嫌でーす」
『っ!?』
善法寺くんの言葉に綾部くんは即答する
なんでや
『まさか、逃げられると思ってる?』
喜八郎 「そんなことは思ってないような、思ってるようなー?」
『はぁ?』
何が言いたいんだ、こいつは
てか、どっちだよ
『じゃあなんでここに来たの』
喜八郎 「気になったから」
『…………』
伊作 「…………」
こいつ、いまなんて言った?
私の聞き間違いじゃなかったら……
『気になっ(気になったってどういうこと!?)うるさっ』
私の言葉をかぶせて善法寺くんが大きな声を出した
喜八郎 「そのままの意味ですよ」
そう言って彼は怪我した指を触ってきた
喜八郎 「滝夜叉丸の戦輪を怖がることもなく、掴むなんて思ってなかったですもん」
『…………』
喜八郎 「今までの天女は怒るか、泣くか、怖がることしかしませんでしたからねー」
『……そりゃそうでしょ』
そんな物騒なものが飛んでくれば怖がって泣くだろう
喜八郎 「それなのに、君はあんなことをした。だから気になってここに来たわけ」
『なるほどね』
喜八郎 「しかもなかなか動かないから驚きましたよ」
伊作 「それはこの子が隠すから」
『ゔっ』
善法寺くんにジト目で言われ、なにも言えなくなる
126人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:明桜 | 作者ホームページ:nhatev-hdfs miri1
作成日時:2023年7月14日 20時