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側から見れば、それは愛とも、狂気とも、依存とも受け取れた。
己を助けてくれたのは、本体の『身代わり』で、本体はまた別のものが連れて行った。
それが誰なのか、残された刀剣男士たちは考えた。
蘆屋Aを知る者は少ない。
さらに、一族の者はA以外全員死んでいる。
他の考え得る可能性を全て無視し、一つの結論を出した。
『未来の刀剣男士が連れ去った』と。
過去へ行くことができ、過去の自分がいるのであれば、未来を生きる自分がいるのも道理。
だからこうして、迎えにきた。
『正しい歴史を守る』ために。
「大丈夫だ。
今度こそ俺たちはAを、絶対に死なせたりなどせぬ。
守られるばかりの俺たちではないからな」
いつの間にか、足元で桜の花びらが舞っていた。
ゆっくりゆっくりと回りながら上昇し、Aと三日月宗近を覆い隠す。
「俺たちには、Aが必要なんだ」
桜吹雪は回る速度を速め、激しさを増していった。
「三つ目の依頼だ。
Aよ、この先永遠に、我らと共に生き、そして、我らが役目を終えたその時は、共に神域へと来てはくれぬか？」
「わかった」
Aは、依頼として、それを受け入れてしまった。
内容も、それがどういうことかも理解せず。
命令にのみ従い、自分の意思を持たない人形。
三日月宗近を含め、Aに助けられた刀剣男士たちは、Aの生まれながらの宿命を利用したのだ。
三日月宗近はまた優雅に、だが見た誰もが恐怖するような笑みを浮かべた。
「主、これで一生、我らと共にいることができる。
神との約束、神と交わした言霊は、『絶対』だからな」
Aは、無言で三日月の腕の中にいた。
「そう不安がることはない。
Aは、『人間』になれる。
人形だって成ろうとして成れたのだ。
Aは、人間だ」
一際大きく風が吹くと、そこには『身代わり』として残ったAの姿をした『人形』だけがポツンと残っていた。
やがてゆっくりと動き、先程まで蘆屋Aが座っていた場所に座った。
外からも、内からも音はせず、静寂があたりを支配していた。
数日後、時の政府が迎えに来るまで、人形はそこでじっと座っていた。
蘆屋Aとして。
Fin
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あき(プロフ) - 華音さん» こんにちは。ありがとうございます！とっても嬉しいです。修正したいのですが、時間があまりとれないので、どこがどう間違っているのかも一緒にお伝えしていただきたいです(^^;)読みづらかったとは思いますが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました！ (2021年9月16日 12時) (
レス) id: aa37dea49f (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんわ☆初めまして！面白くて感情移入しながら一気読みしてしまいました（＾ν＾）ただ、所々ですが誤字脱字や一文字抜けている部分がございましたので見直してみて下さいね。 (2021年9月13日 22時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 一気読みしました！最後の最後に感情を取り戻した呪術師審神者は幸せに暮らせてるといいですね！ (2020年2月5日 17時) (レス) id: b5fce10f2a (このIDを非表示/違反報告)
ブラッディ・ドリーマー(プロフ) - 架音さん» いえいえ。今まで読んでいただき、ありがとうございました。 (2019年9月15日 10時) (レス) id: 71334657d1 (このIDを非表示/違反報告)
架音(プロフ) - 遅くなってしまってすみません。最終話まで読ませていただきました。とても感動しました！素敵な作品をありがとうございました！更新お疲れ様でした。 (2019年9月14日 22時) (レス) id: 28682758c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あき | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月23日 22時
