ep.3 大荒れの海 ページ3
次の日、リヴァイ、アルミン、コニー、サシャ、の四人が小舟に乗り、釣りをしていた。
「エレン達が帰ってくるまでに、めっちゃ魚獲って驚かしてやろうぜ！！」
「それいいですね！帰りが遅ければ先に食べてやりましょう！」
コニーとサシャがギャアギャア騒ぐ中、リヴァイとアルミンは静かに海と向き合っていた。
1匹、2匹と釣れるたび、四人のテンションは上がっていく。
船が流されていることも知らずに…
「なぁ…ここ、どこだ？」
「…まずいな、流されたみてぇだ」
「えーーーー！！どどど、どうしましょう！」
「ま、まず落ちつこう！えーっと、太陽があそこだから…」
森の中でならこんなに慌てることはない四人も、慣れない海の上となれば別の話。
「サシャの耳にかけよう！耳を澄ましてくれ！」
「わかりました！……ん！？雷の音……嵐が来ます！！！」
「「えええええーー！！」」
「チッ、とにかく太陽と反対側に進むぞ」
サシャが余計な事に気付いてから、本当に嵐が来るまでに時間はかからなかった。
波は荒れ雨が降り、空には黒い雲が時々稲光を見せつけた。
「お前らしっかり掴まれ！」
四人は小舟にしがみつき、なんとか耐える。
と、その時…
大きな波が小舟を襲う。
「ギャァアッ！」
その反動でサシャが船の外へ投げ出されそうになる。
「クソッ！掴まれッ！！」
それに気付いたリヴァイは、慌ててサシャへ向かい飛びついた。そして手を掴み船の上にサシャを放り投げる。
波はリヴァイの体制を整えるまでは待ってくれるはずも無く、そのまま海の中へ飲み込んでいった。
「兵長ーーーーっ！！」
「どうしよう、兵長が！！」
「俺が潜って探す！！」
「無理だよコニー！この波じゃ泳げない！」
こんな形で人類最強を失うわけにはいかない。
ﾎﾟｫｫｵｯ！
パニックになる三人の元に、汽笛がきこえる。
「おーい！！みんなーー！！」
「無事かーー？！」
ハンジさんとオニャンコポンさんが船で迎えに来てくれたのだ。
引き上げられたアルミン達は、リヴァイが海に落ちた事を話す。
ハンジさんもコニーと同じように探しにいくと言いだすが、オニャンコポンがそれを必死に止めていた。
「止めるな！！リヴァイは私より泳ぎが下手なんだ！」
「無理だ！この荒れ方じゃ泳げるとか関係ない！こうなったらリヴァイさんの運に任せるしか…」
「……ごめんなさい…私のせいで……」
泣き出しそうなサシャの声で我に帰るハンジ。
「サシャ、君が無事で良かった。さぁ、ニコロが待ってるよ」
そっとサシャを抱きしめたあと、港へ戻るとハンジは決断した。
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作者名：yoku | 作成日時：2023年6月5日 10時
