六年い組の藤の花【忍たま】

八話 お土産話の段 ページ9

『___そこで山賊が大勢出てくるんですが、囲めば勝ちだと思ってるようだったから、すぐにやっつけちゃったんです』



旅での話をたくさんすると、初めてのおもちゃを目の前にした子供のような顔になる。ちなみに、今話してるのは懸賞金がかけられた山賊を倒した話。きり丸の目がすごい。



きり丸「銭はいくらもらえたんですかあ?」



あひゃあひゃとよくわからない笑い方をするきり丸。まあ、具体的な額を言うとなんだか怒られそうだから、あえて濁して…



『お土産に南蛮菓子を買ってこれるぐらいには』



しんべヱ「お菓子⁉道理で先輩から甘い匂いが…」



鼻をクンクンと動かして匂いを探るしんべヱ。



『今度六年生と五年生に渡しておくので、委員会で受け取ってください』



また嬉しそうに飛び跳ねる。後輩のこういう顔を見るのが好きなのだ。



伝七「そういえば、先輩はどこの委員会に所属してらっしゃるんですか?」



『…ふふ。どこだと思いますか?』



突然伝七に投げかけられた質問に質問で返す。すると、一斉に頭を抱えて悩みだした。そして揃って手を挙げる。



兵太夫「はいはい!立花先輩と同じで美人だから、作法委員会!」



平太「食満先輩みたいに優しいから、用具委員会、かな…」



虎若「竹谷先輩が狼と梟を飼ってるって言ってたから、生物委員会!」



左吉「武闘派なら、潮江先輩率いる会計委員会!」



一年生同士でやいのやいのと話し合っている。今の所出てないなあ。



『長らく三郎に代理を任せていましたが、私は学級委員長委員会委員長ですよ』



正解を明かせば、彦四郎と庄左ヱ門はガッツポーズ。他の子たちは少し落胆していた。

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