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#06 ページ8

「おい!まだ中は燃えてる!
順番に救出してるから入るな!」

炎上する屋形船のそばで呼び止められた。



千住隊長!とオレンジの隊服が光る彼に笑顔で答える。
「すみません、彼女が中に今処置しないと助からない命があると言ってるんです!」
「彼女?……あんた、さっきも勝手に入っただろ!」

怒鳴られてもお構いなしに中へ入っていく小日向。喜多見もそれに続いた。


「ちょっと音羽さん。止めてもらわないと困る!大体誰だ、あの女は」
「医師です。たまたま現場にいたそうです。
……危険だと判断したら退避させますので」
その判断をするのはこっちだと言いたげな千住を後に、音羽も中へ入っていった。





「ったく、どいつもこいつも……」

言いながら拡声器を口に当てる。



『消火活動急げ!中に重傷者がいる!それから……』




***




「やはり気道熱傷がありますね」
喜多見が気管支鏡を覗きながら診断する。

その男性はぐったりして声をかけても反応がない。


炎はすぐそこまで迫ってきている。

額に汗をにじませながら、モニターを確認しルートを確保していく小日向。

ものが燃える音と咳き込む声だけが聞こえる。

酸素が薄い。


「気管挿管して急いでここから出ましょう」

音羽の判断に2人も頷いた。





「大丈夫か!」

男2人で持ち上げて運ぼうとしていた時だった。
「千住隊長!助かります!」
千住の後ろにはバックボードを持った隊士数人がいる。

「いいから急ぐぞ」



***



やっと十分な酸素を得られた肺が喜んでいる。

バックボードで運ばれている患者と、それを運ぶ消防隊がレスキュー用のボートに乗り込む。ボートに乗った喜多見が振り返り、小日向先生も早く、と手を差し出した。





そのとき

彼女の背後で大気が揺れた。




真っ赤な炎と黒煙が、それまで見えていた青空を躊躇なく覆い隠す。





「沈没するぞー!!」





彼女の足元が音を立てて崩れていく。









差し出された大きな手に、細い指は虚しくかすめていった。




***

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わさび醤油(プロフ) - 滴さん» 貴重なご意見ありがとうございます。読みにくくて申し訳ないです( ; ; ) 1ページに入れたい内容が多くて泣く泣く行間を詰めたり文章を削ったりしていて限界なんです(泣)初小説なのでご愛嬌ということで温かい目で見ていただければと思います... (2023年5月3日 16時) (レス) @page8 id: 3684b727db (このIDを非表示/違反報告)
- こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読んでいて思ったのですが。。。 行間隔をあけたほうが良いのではないんでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので。。。 (2023年4月30日 23時) (レス) @page5 id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
わさび醤油(プロフ) - すずもりさん» 返信遅くなってすみません💦コメントありがとうございます!月島さんかっこいいですよね。もう少しで完結ですが最後まで頑張りますのでよろしくお願いします! (2021年10月31日 9時) (レス) id: bd4ab21637 (このIDを非表示/違反報告)
すずもり(プロフ) - 月島さん好きなのでありがとうございます♪(笑)更新楽しみにしてます❣️ (2021年10月17日 20時) (レス) @page48 id: 850617dc48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わさび醤油 | 作成日時:2021年10月5日 19時

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