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そらるさんから電話がきた。。
”大丈夫?”と私の顔をのぞき込む天月くんに心配をかけないようにと笑顔で答える
「ごめん。ちょっとちゃんと話してくる!私もみんなと真っ直ぐぶつかってみるよ」
流石にここで話すわけにもいかないのでベランダに出ようと立ち上がると天月くんが上着を貸してくれた。
天月くんの温もりが少し残った上着を着ると、まだ抱きしめられているようで心臓の鼓動が速くなるのを感じた。
ベランダの柵に手をつきふーーーっと大きく深呼吸すると吐いた息が白くなり、いつの間にか降り出した雪を眺めながら私はそらるさんの電話に出た。
「・・もしもし。」
”やっと出た。後で連絡するって言っただろ?”
「あー・・ベランダ出たりしてたからもたもたしちゃって」
”天月と一緒だからか。まー隣にいないんだったら好都合だわ。”
”あのさ。A俺と付き合って”
「え?どこに?さっきのお詫びでとかですか?」
”はぁーー。(ため息)何でそうなるんだよ。まぁ俺も急に言いすぎたか。。」
大きなため息をついたそらるさんが急に黙ってしまった
え?何か気に障ることを言ってしまったのかな?
”俺さ。なんかAのことほっとけないんだよ。自信がなくて自分に正直にいきていけないとことかさ。だから・・さ。その・・つまりそういうことだよ”
「ちょっ全然わからないんですけど!?何でそんなに私のこと気にかけてくれるんですか?」
”・・・好きだからじゃねーの。まだわかんないけど・・だから俺が恋愛のリハビリするのと一緒にAもリハビリすればいいだろ?”
全くどういうことかがわからない
結局この人は私のことが”好き”ということなの?
そもそもリハビリってなに?
急に話が進みすぎて私の脳がフリーズしそうだ・・・
「り・・リハビリって?どういうことですか?」
”そのまんま。俺と試しに付き合ってみれば?Aが嫌がることはしないから・・たぶん」
試しに付き合うなんて意味があるのかわからないけど・・
でも・・ずっと変われなかった自分とおさらばできるかもしれない。
恋愛で女は変わるって漫画で読んだことあるし!
最後に小さい声で”たぶん”って言ってたのは気になるけど
「た・・試しにですからね。」
”決まりだな。・・・あと天月には付き合ったとしか言うなよ。”
雪が降る聖なる夜。私は天月くんに小さな嘘をついてしまう。
この選択が私にとって運命の分かれ道になってしまうというのに。
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作者名:瑠衣 | 作成日時:2021年6月18日 16時