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椎名はベンチから楊のピッチングをじーっと見る。
沢村「椎名先輩！！後ろには俺もいますからね！！」
『おー』
御幸「沢村〜。今千弘に話しかけない方がいいぜ〜」
御幸は椎名の後ろで騒いでいる沢村の頭を叩く。
『(亮さんが見逃し。つーか今の外れてんだろ)』
御幸「千弘」
『審判のジャッジを味方につけられたね』
御幸「あぁ。これでくさい球は見逃せないな」
そして明川の攻撃。
バッターは楊。
『(あんたがすごいのはよくわかった)』
楊「(今のところはストレート1択。変化球が少ない投手か)」
『(だからって投球勝負で負ける気はさらさらない)』
椎名は1球目フォークを投げる。
楊はそのボールをなんとかバットに当ててファウルへ。
2球目はストレートでストライク。
楊「(3球目...何でくる...)」
3球目。椎名はスローカーブを投げて楊を3振で打ち取る。
男「何だ今の！緩急えぐいな！！」
男「流石としか言えないぜ！！」
男「やっぱり椎名だな！！！」
観客はわっと湧きあがっている。
楊「(ぐ...あの男)」
御幸「(相変わらずすげぇ集中力)」
沢村「すげぇ...4回まで塁に誰も出さず。流石椎名先輩！！うおぉ〜！！」
『純さん、純さん』
伊佐敷「あぁ？なんだよ」
『そろそろ点欲しいな〜』
伊佐敷「〜ッ！！だー！わかった！てめぇはそこでよ〜く見ておけ！！」
『ちゃ〜んと観てますよ！』
椎名は手でメガネの形を作り伊佐敷をじーっと見る。
有言実行。
伊佐敷は出塁して2.3塁、1アウトでバッターは御幸へ。
『一也！』
御幸「ん？」
『ここで打たなきゃ、俺への愛は伝わらねーからな！』
御幸「そりゃ大変だ」
御幸はバッターボックスに立ち構える。
御幸「(そうだよな。ここで打たなきゃ女房が辛いよな)」
そして楊のアウトロー変化球を捉えセンター前まで運ぶ。
その間伊佐敷、結城がホームへ戻り青道に2点入る。
『わはー！！一也！ナイス！抱いてー！！』
伊佐敷「ばっか！てめぇ！何でかい声で言ってんだ！！」
『あはは〜。つい』
片岡「椎名」
『はい』
片岡「お前は次の回で終わりだ」
『え！？まだ投げ...うぅ〜...はい』
片岡の圧に負けてしょぼんとする椎名。
亮介「お前がここまで無失点で抑えてくれたんだ。大丈夫だよ」
『うっす』
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作者名：みる | 作成日時：2023年4月29日 17時
