【HQ!!】稲荷崎の護り神② (ページ8)

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春高予選決勝 IN兵庫―

侑「優くん！」

『任せなさい！』

一ノ瀬は綺麗にレシーブをして侑に繋げる。
そして最後は尾白のバックアタックで試合終了の笛が鳴り響く。

セットカウント3-1
稲荷崎高校が全国への切符を手に入れた。

帰り道。
一ノ瀬は北と話ながら足を進める。

『いやー、ほんま今日も調子よかった！』

北「いつも調子ええな」

『信介もいつも通りええ感じやったで！』

北「練習でやっとることやっただけやけどな」

『そんなん俺もやで！』

北「...まぁ、せやな」

『せやろ？』

一ノ瀬はヒヒっと笑ながら北を見る。
そしてやや目線をずらした後に再び口を開く。

『俺な牛若負けたって聞いた時にちょっとびびった』

北「なんや急に」

『あ、こいつら終わりなんやって』

北は無言で一ノ瀬を見ている。

『後ろから啜り泣く声も聞こえて、負けたら終わりなんやって事一気に突きつけられた感じしてん』

北「そんなんわかってたことやろ」

『わかってんねんけど、もしそれが自分やったら？って一瞬よぎった』

北「....」

『俺はまだまだ信介とバレーをやる』

一ノ瀬は顔を上げて北の方を見る。

『信介が率いるこのチームでもっと戦う。せやから全国制覇しような。信介！』

北は嬉しそうに口元を緩め一ノ瀬の頭を撫でる。

北「せやな」

『で？今日はどっちの家？俺の家？信介？』

北「優の家やな」

『久々やな！夜更かししちゃう？』

北「明日からまた練習や。体に悪いで」

『えぇー、ちょっとくらいええやん！2人きりやし♡』

北「語尾に♡つけてもだめや」

『ちぇーッ！』

北「寝不足で怪我でもしたらどうすんの？」

『ぐぅ...せやな...』

一ノ瀬はしょぼんと眉毛を下げる。

北「布団は一緒でええから」

『え！？ええの！？』

北「1年に1回やから」

『よしっ！ってか1年に1回やったの！？俺知らへんかった！』

北「優は寝相悪いねん」

『それはしゃあないやろ』

北「風呂入ったら行くから待っとき」

『おう』

北と一ノ瀬は途中で別れる。

そしてその後自宅に来た北に部屋が汚いことをこっぴどく叱られる一ノ瀬であった。