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ピーっという笛の合図で選手たちは一度ベンチに戻る。
『侑、調子ええな』
侑「せやろ！今日ノッてんねん！」
『西谷君可哀想に』
侑「西谷？誰それ」
『あっちのリベロ。あの子はええ選手や』
侑「ふーん」
侑は西谷をちらりと見た後にボトルに口をつける。
侑「まぁ、強い奴からサービスエース取ったら気持ちええやんか」
角「でたよ」
侑「は？何？」
角「侑は時々びっくりするくらい考えなしだよねっつー話」
『たしかに』
侑「はぁ！？何やねん！失礼な！ってか優君もやん！」
『俺はちゃんと考えてますぅ〜』
侑「いーや！俺と変わらへん！！」
尾「どっちもどっちや。ほらいくで！」
尾白は呆れた顔をしつつ一ノ瀬と侑の背中をポンっと叩く。
『侑』
侑「んー？」
『潰すんならとことんやりぃ』
侑「やっぱ優くんも俺と変わらへんな」
『やっかましいわ』
侑はボールを持ち4歩下がる。
そして西谷に向かってジャンフロを打つ。
西谷はそのボールをアンダーで返そうとするもボールは床に落ちる。
すると西谷は悔しそうな顔をした後すぐに腕立て伏せを始める。
『....』
治「なんや？」
『自分へのペナルティーやない？』
治「ペナルティー？」
『知らんけど』
治「知らんのかい」
『リベロはとってなんぼや。とれへんかったら意味はない。プレッシャー紛らわせたいんとちゃう？』
治「ふーん。優くんもやったら？」
『俺はとるからやらん』
治「優くんプレッシャーとかあるん？」
『そんなもん糞くらえや』
治「わぉ。この人めちゃくちゃや」
西谷は先程よりも集中した表情で侑を見つめる。
侑「最高や」
2本目のジャンフロは西谷に取られボールは宙を舞う。
田「旭さん！！」
東「(強打は無理...)」
東峰は侑に向かってスパイクを打つ。
『あ...』
侑がファーストタッチをした瞬間一ノ瀬が少し前に出る。
そして侑の代わりにトスを上げ角名がスパイクを決める。
『角名！ナイス！』
角「ナイスカバー」
一ノ瀬は角名の背中をバシバシ叩く。
角「ただもうちょい高めで」
『ダメ出しや』
月「(この人、トスも出来るのか)」
東「(これが全日本代表リベロ...)」
西「....くそッ」
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
