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『あの5番ええな』
尾「ん？」
『折れへん心を持っとる。ええ男や』
一ノ瀬はユニフォームで汗を拭いながら言う。
『ええチームや。烏野』
1セット目は25-27で烏野が先取。
北「優」
『んあ？』
北「水分取りぃ」
北は一ノ瀬にボトルを渡す。
一ノ瀬はボトルを受け取り口をつける。
北「ええチームや」
『せやね』
北「でもうちのがええチームや」
北の言葉に一瞬キョトンとするも一ノ瀬はすぐに嬉しそうな表情をする。
『当然や』
2セット目が始まり烏野は先程の勢いを失いつつある。
『よっしゃああ！侑！！』
侑「ナイスレシーブ！優くん！」
≪まさに阿吽の呼吸！セッターの欲しい位置にレシーブを返す。リベロの鑑のような選手ですね！≫
≪2セット目に入って一ノ瀬の勢いが止まりませんね！≫
鵜「エンジン全開になってきやがったな...」
武「あれだけ決まっていた速攻も決まらなくなってますね...」
木「あれだけ止められたら流石に俺もイライラしてきちゃうかも...」
赤「イライラする自覚あったんですね」
木「いっちーは心を折りにくるからな」
赤「...そうですね」
古「うわぁ。優くんすごいな...」
佐「お前でも取れるだろ」
古「まぁ、取れるやつもあるし無理なのもあるかな」
古森は一ノ瀬のプレーを羨ましそうな顔で見る。
古「優くんは本当にすごい人なんだよ」
佐久早はその言葉に顔をしかめるも「知ってる」と小さな声で呟く。
そして東峰の力強いスパイクも一ノ瀬はすべてレシーブする。
≪一ノ瀬優が止まらないー！！絶対的守護神！！≫
一ノ瀬は『はっははー！』と楽しそうに笑っている。
西「すげぇ...」
田「旭さんどんまいっす！」
東「おう！」
西谷はネットを挟んで向かい側の相手を見る。
憧れの人物。
超えたいと思っていた人物。
サーブには宮侑。
西「(俺は何をやってんだ！！あの人を超えるんだろ！！)」
西谷はパンっと自分の頬は叩きふーっと息を吐く。
『ええ顔や。そうこなくちゃあかんよな。西谷君』
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
