【HQ!!】稲荷崎の護り神 (ページ46)

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『ちーっす』

一ノ瀬が部室を開けると2年生が部屋の端っこで何かをやっている。

『え？お前ら何やってん？スケベの本でも見てるん？』

侑「見てへんわ！優くんじゃあるまいし！」

『はぁ！？俺かてそんな頻繁に見たりせぇへんわ！』

角「そんなってことは時々見るの？」

『....まぁ。男やし、見るやろ』

銀「優くんにそんな欲があることに驚きを隠せへんのやけど」

『何でなん？それ前にアランと路成にも言われたわ』

一ノ瀬は鞄を置き2年生の方に近付き覗き込む。

『なんやこれ。テスト？』

治「休み明けにあんねん」

『この問題わからへんの？』

侑「せやねん。まぁ、どうせ優くんにもわからへんやろうな」

『あほ抜かせ。こちとら学年上位やぞ』

侑「はぁ！？嘘やろ！？」

一ノ瀬は治のプリントを見ながら『懐かしッ』などとぼやいている。

角「じゃあ教えてよ」

『頼み方次第やな』

銀「うわー。優くん将来嫌な上司になんで」

『お前だけには教えん』

すると治は立ち上がり、一ノ瀬の正面に立つ。
そしてそのままぎゅっと抱きしめる。

治「優くん。教えて」

『待て待て。抱きつく必要はないやろ』

治「....相手が女子やったら効果抜群なんやけど」

『俺は男や。ってかこれ女子にやったらしばかれるんとちゃうん？』

侑「大丈夫やで！サムも俺もモテるし」

『こいつらほんましばいたろうか？』

角「侑はマジでやるからタチ悪いよね」

『普通にひくんやけど....』

一ノ瀬は変な顔で侑を見ている。
対して侑は閃いた！という顔をして一ノ瀬に近付く。
そして耳元に近付き「教えて」とやや低めの声で囁く。

『～ッ！？』

一ノ瀬は顔を真っ赤にして耳を塞ぐように手を当て侑から離れる。

角「え...かわいい」

銀「優くん真っ赤やん」

治「優くん...耳弱いん？」

侑「は？可愛すぎやろ」

『最悪や！！！来るな！変態！』

角「動画撮っちゃったけどね」

『はぁ！？撮んなや！』

角「消してほしい？」

『当たり前やろ』

角「じゃ、勉強教えて」

『ぐぅ...こいつ...ほんま嫌や』

渋々勉強を教える一ノ瀬であった。