【浦島坂田船】紅一点の日常【歌い手】⑤ (ページ29)

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お迎えページ29

ある日の仕事帰り―

後輩「たーさん急いでるけどどっか行くの？」

『今日は予定あるのよ』

後輩「瀬川さん？」

『そう！迎えに来てくれるのよ！じゃ！また来週ね』

後輩「たーさんおつです！」

田島は小走りで会社のエントランスへ向かう。

エントランスには見知った女性と話をするセンラの姿があった。

志麻「センラさん、大変そうやな」

『あ、まーしー！』

志麻「ん。お疲れ様」

『センラはどこでも人気だよね...まーしーもだけど』

志麻「センラさんは優しいし気遣えるからな」

『まーしーもじゃん』

志麻「俺はちゃうで？ほんまに好きな人しか優しくしいひんよ」

『...これはモテる』

志麻「モテへんやろｗｗ」

『顔も中身も最高じゃん』

志麻「じゃぁさ、そんな最高な男と恋愛してみる？」

『お？』

志麻「志麻が本気で田島をメロメロにさせたろうか？」

志麻は田島の目を見つめ優しく微笑む。

一方田島は口をぽかんと開け瞬きをする。

センラ「まーしー」

志麻「お、センラさんお疲れ」

センラ「あかんよ、まーしー」

志麻「んふふｗかわっとるよ」

『センラお疲れ様』

センラ「変なのに捕まったら余計に疲れたわ、癒してぇえ」

志麻「よーし、俺が癒したるｗｗ」

センラ「ｗｗなんでやねんｗｗ」

『志麻セン！twitter載せてよい！？』

センラ「あとでな、あとで」

志麻「ほな、車回してくるわ。そこで待っとき」

田島とセンラは志麻に手を振り、エントランスで志麻の車を待つ。

センラ「田島」

『なーに？』

センラ「96ちゃんとの歌聴いたで」

『ありがとう』

センラ「泣いとったらしいけどどんな気持ちで歌ったん？」

『ずっと皆と一緒に居たいなぁって思いながらかな』

センラ「ほんまに？」

『最近...皆が結婚とか恋とかして離れちゃったらどうしようって』

『こんな夢のように幸せな時間はいつまで続くんだろうって考えちゃってて』

『夢でね、皆ちゃんと自分の道を進んでて田島だけ止まってたの』

『ねぇ、センラ』

センラ「おいていかへんよ」

『え？』

センラ「田島が止まったらセンラも止まる。田島が進めばセンラも進む」

センラは田島の方を見る。

センラ「絶対に離れへんよ」

『センラが嫌がっても田島はしがみつくよ』

センラ「子泣き爺やｗｗ」

『うぇええ(変な声)』

田島はセンラの背中にしがみ付き、センラは笑いながらそのまま田島をおんぶする。