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なんだ、コレ…
瞼が軽くなったような気がして目を開けてみるとそこに広がる光景に絶句する。
刺されて倒れたからって救急車で運ばれたわけでもない。でも死んだからって今まで必死に生きてきた世界以外のところに来てしまったわけでもない。
だって俺は今あの日常に戻ってきたんだ。それも俺が刺される三日前のテレビ収録の現場。
見たことのある風景、既にこなした仕事、聞き覚えのあるセリフ。全てを覚えている。
刺されたはずの腹部を触ってみても痛みはないし、服を捲って腹を見てもそれらしい傷はなかった。
何が起こってるのか分からない。それに、伊野尾ちゃん…
なんで俺を刺したんだろう。
前から好かれてないとは思ってたけど殺したいほど俺を憎んでいたのかな。
ハッ乾いた笑みが漏れる。だってそうだろ？
俺はずっとずっと伊野尾ちゃんが好きだったんだ。その気持ちを伝えたれたのは死ぬ直前になってやっとのことだったけど。
男同士なんて普通じゃないし、ましてや俺等はアイドルだ。伝えることすらも許されないと思ってた。
でも、伝えてみて分かった。伊野尾ちゃんに謝らせるだけだったと。
俺を指した後、彼はずっと俺の傍らで泣いていた。でも俺を殺したいほど憎んでいたとするならそれは違和感しかない。
なんで憎い相手を刺してそんなに謝るんだろう。
普通ならやってやったぐらいの気持ちだろ？
考えれば考えるほど分からなくなるだけだ。もう考えるのはやめておこう。思考を放棄して、俺は一度経験した仕事をまたこなしていった。
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ふるは(プロフ) - Ymin好きなのでとても幸せな時間をありがとうございます。続きを楽しみにしております。 (2019年3月1日 6時) (
レス) id: df18d22876 (このIDを非表示/違反報告)
anco(プロフ) - はじめまして！「偽りの自分を」が大好きでして...こちらで続きを書かれるとのことなので、もう一度読み返しました！お忙しいと存じますが、続き楽しみにしております！ (2019年2月18日 0時) (レス) id: 11e9c4165d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かすたーどばにら | 作成日時：2019年2月17日 19時
