紫の鏡 ページ47
諸説あるが…その言葉を「20歳の誕生日」に覚えていたら…呪われて死んでしまうというもの。
この浮世絵町でも7年前に「13歳の誕生日」に死んでしまった子が何人もいたという。
「…なんか、カナちゃん元気ない？」
不思議そうに問いかけるAの観察眼に少し驚いたカナだったが、自分を心配してくれている幼馴染を邪険に扱うこともできず曖昧に笑った。
「…実はね、変な夢を見たの。13歳になったら迎えに来るって誰かと約束した気がするんだけど…」
13で…約束…？
リクオとは違い、昔から妖怪について調べてきていたAはどこかが引っかかったようで必死に記憶の引き出しを探る。
そんな二人だったが、いつまで経っても駅に辿り着くことができない。
そんな時、自転車に乗って反対側から姿を現したのは紫色の大きな鏡。
「みぃつけた」
鏡…！？そうか、これは…雲外鏡！
ようやく思い出したAはカナの手を引いて逃げようとするも、恐怖に足がすくんでしまったカナはその場で立ちすくんでしまう。
「13歳のお誕生日…おめでとう…カナちゃん」
何とか頭を回転させたカナは、手を繋いでいたAの手を握り返すとそのまま一緒に走り出す。
しかし、その後ろを鏡も諦めることなく追いかけてくる。
「にげ…られないよ…」
必死に距離をとる二人だったが、道路に立っていたカーブミラーにその姿が映った途端、気がつくと学校の階段に投げ出されていた。
訳もわからないまま転ぶ二人の前に、階段の鏡から出てくる雲外鏡の姿が見える。
恐怖に怯えながら理科室へと逃げ込むと、カナは必死で今の状況を理解しようとしていた。
そんな中、鞄に入れていた鏡から雲外鏡がその姿を出そうとする。
「カナちゃん…この部屋…鏡…ないよ。せまい…」
そして次の瞬間、二人は男子トイレの中に座り込んでいた。
鏡を使って移動している…？
焦って少しパニックになりつつあるカナは逃げようとして、自分の鞄に足が引っかかる。
その時、鞄から飛び出した清継にもらった人形が急に振動し始める。
「ひぃいいいい！？なんで…ど…どーなってんのよー」
その頃、ゴミ捨てを行っていたリクオと氷麗だったがご飯の支度があるため氷麗がら先に帰ってしまう。
早く帰って来るように叫びながら帰る氷麗を横目に、リクオ
屋上を見上げて清十字団に顔を出すことを決める。
一方
トイレの鏡から姿を現そうとした雲外鏡に絶対絶命のピンチを迎える二人の前で、人形が話し出した。
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作者名：エッグタルト | 作成日時：2024年1月15日 0時
