雪女vs午頭丸 ページ38
側近としてリクオの側を離れたくはない氷麗だったがリクオの命令に背くわけにも行かず、島を追いかけようとする。
「てめーが側近か」
そんな氷麗の頭上から刀を振り下ろしながら降りてきたのは午頭丸。
刀を凍らせてその場を飛び退いた氷麗。
「何…？牛鬼殿の手下なの？バカなことよしなさい？私を誰だと思ってるの」
「……ああ、なるほど…雪女…ね…」
不敵な笑みを浮かべる午頭丸に対し、氷麗はあくまでも冷静に刀をおさめるように告げる。
「今だったらあなたのこととがめないから」
しかし、午頭丸は怪しく笑うだけ。
「なにを笑ってるの！？あなた.誰に手を出してるかわかってないよーね！！私の主は…」
そんな午頭丸にカッとして自分の立場を宣言する氷麗だったが、午頭丸はふっと距離を詰めるとその足に刀を突き刺した。
「ガタガタうるさいよ女」
「えらそうにするな！！問題児の側近のくせに。本家だからって命令してんしゃねーぞ！！牛鬼組をなめるなよ！！」
その言葉に愕然とする雪女。
「まさか…若だと知って……！？どうして！？」
理解できずに動揺する氷麗に、午頭丸は勢いよく突き刺していた刀を抜く。
「思慮深い牛鬼様のお考えよ！！」
そう言って勢いよく刀を振り翳すが、氷麗も咄嗟にその刀を凍らせて対抗する。
「呪いの…吹雪…」
しかし、足の傷もあるせいか地面に倒れ込んでしまう。
「私が…私が守らないといけないのに…」
そう悔しげにこぼす氷麗に「死ね」と勢いよく刀を振り下ろす午頭丸。
「つらら！？」
そこへ駆け付けたのは、清継のところへ入って行っていたはずの守るべき主の姿。
「きちゃダメです。逃げてぇー！！若ー！！」
必死に叫ぶ氷麗を見たリクオは、刀を持って午頭丸の刀を受け止め弾き返した。
「何してやがる…お前…。この女は…奴良組若頭の…ボクの下僕だぞ。わかっててやってんなら、『オレ』はお前を…斬る！！」
午頭丸を強く睨みつけながら、守るように氷麗をその腕に抱えてそうはっきりと宣言した。
リクオのからだがドクンっと強く脈打つ。
そんなリクオを見上げながら、怪我をしているにも関わらずリクオを逃そうとする雪女。
「下がってて…ください…私が…やらなきゃ…」
「バカ言うな。お前…大ケガしてるぞ」
しかし、その要求をリクオが聞き入れるはずもなく。
「でも…私がやらなくて…誰がリクオ様を守るんですか！！」
勢いよく立ち上がる氷麗だが、足の痛みに倒れ込んでしまう。
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作者名：エッグタルト | 作成日時：2024年1月15日 0時
