四分の一どころか普通の人間でした (ページ27)

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良太猫ページ27

旧鼠ー大ねずみの妖怪。

仔猫を食べるという。

天敵に毎度襲われる弱者は、やがてゆがんだ心で牙をむくのだ。

リクオが書いた回状を見たカラス天狗は驚きのあまり涙を流しながら絶叫していた。

「書いてあるとおりだよカラス天狗！！お願いだ！！これをすぐに全国の親分衆に廻してほしいんだ！！じゃないと…カナちゃん達が…助からないんだよ！！」

しかし、その頼みはカラス天狗も簡単に頷くことはできない。なぜならー

「三代目をっ…終生継がぬことを宣言する…なんて！？正式な"回状"は…波紋状と同じように絶対なんですぞ！！」

しかしリクオはそれを承知の上で頭を下げる。

そこへ騒ぎを聞きつけたぬらりひょんが姿を現す。

ぬらりひょんは回状を読むと同時にビリビリに破いてしまった。

「何すんだじーちゃん！！」

「それはこっちのセリフじゃこのバカ孫め！！昼間は陰陽師を連れてくるし…ワシら妖怪を破滅させる気か！！」

「しかたないだろ！！妖怪が"悪い"からいけないんじゃないか！！しかもあんな奴らがうちの組にいるなんて、じーちゃんは何をやってんだよ！！だから…妖怪一家なんて嫌なんだ！！ホント…最低だよ！！」

そう声を荒らげるリクオに対して否を唱えるのは、奴良組系『化猫組』当主良太猫ーAが昼間会いに行っていた相手である。

「実は…本当に一番街を総大将からあずかってんのはワシらなんですわ…リクオ様」

化猫組ーぬらりひょんが浮世絵町に居を構える前から博徒として悪行をつんできた古い妖怪。

「我々がやっていることは…リクオ様からしたらそりゃ悪くうつることもござんしょう」

しかし、今街は旧鼠に支配されてしまった。

旧鼠は小娘を誘い込み欲望のままに貪り喰っている。

「若…あいつらに街を自由にさせていたらもっとひどいことになる！！どうかあの街を…救って下せぇ！！」

そう告げる良太猫だったが、リクオは人間であることを理由にできないと告げる。

そんなリクオに良太猫は、旧鼠は約束を守る気がなく、カナ達が殺されてしまうことを告げる。

ぬらりひょんは、かつて旧鼠が奴良組にいたこと、しかしあまりに知恵がなさすぎる暴徒であるが故に波紋にしたことを告げる。

「リクオ、言いなりなってるんじゃねーぞ！情けねぇ。てめーのことだほうが…ケジメつけたらんかい！」

「そんなことをボクに言われたってボクには力なんかないんだ！！」

そう言ったリクオの頭に過るのはかつての記憶。

あつくなるからだ。