東から来た魔術師2 ページ3
『このくらいの粗さでいい?』
「うん!
(私の欲しいタイミングで下処理の済んだ食材が次々と手元に来る…!
私一人で調理するより何倍も速く動けてるようなｰｰｰ
サポートが一人ついただけなのに)」
2人というよりAの手際を見た水原たち
「何あれ」
「何々…
幸平A…」
「へぇ!
珍しいですね高等部からの編入生とは!」
ドナードと関守はAの履歴書を見た
「(常に彼女の仕事を先読みし自分の作業との両立を崩さずにサポートしてる)」
「(しかも決して余計な事はしない
田所恵の邪魔にならないよう神経を張り巡らせている)
実家は定食屋…
どうやらそこで修業した経験が有るようだか…」
「いやしかし…
家業の手伝いだけであの動きはあり得ないでしょう
(どう見たってアレは学生のレベルを遥かに超えてる…!)」
「…………」
「さぁ!
双方仕上げにかかれッ!!
間もなく審査開始だ!」
「盛り付けに入りますっ!」
『応よ!!』
両者は盛り付けに入り調理は終了した
「まずは四宮の料理から審査だ
給仕(サーブ)を」
水原たちは席を座ったのに対し日奈子は息が乱れており何とか抜け出したのであった
「あれ!?
私の分は?」
「無ぇよ…
水原の分分けてもらえ」
「(遠月学園卒業生の料理…
一体どんなすごい品が出てくるんだろう…)」
「いやあ
期待しちゃいますねぇ」
「うむ…
む?」
「……え?
(これってー)」
全員が目を疑った
出された品は
「『シュー・ファルシ』…………?」
シュー・ファルシとは
フランス
オーベルニュ地方の郷土料理
キャベツの葉で肉や野菜を細かく刻んだ詰め物を包蒸して作る品で洋食でいう所の「ロールキャベツ」に近い料理である
ちなみにシューとは仏語でキャベツの意味だ
「これは…
少し意外なメニューですね」
「仏の家庭でもよく作られる定番料理だな」
「なんか…
拍子抜けって感じですねぇ
いつも気取った料理ばかり作る四宮先輩にしても」
ゴッ
いつもように日向子が嫌味のように言った途端小次郎にチョップされた日向子の頭はシュウウウウウと煙が上がった
「では…」
カチャ ほわぁぁ…
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作者名：レンサ | 作成日時：2019年2月13日 0時
