赤髪ノベルズ！３【あかがみんクラフト】 ≪妄想詰め≫ (ページ13)

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怪盗モガミの挑戦状【１】ページ13

モガミ視点

夜のクランディアに響き渡る警官たちの声。
クランディア総合美術館の位置口の前には警官隊がびっしりと列を成している。
中にいる怪盗モガミを逃がさないためにやっているのだろうか。
――おろかなことだ。
怪盗モガミは既に美術館から出ているというのに。

―――
トモ視点
昨夜のことが思い出せない。
どこかに行った気がするが、それすらも覚えていない。
まだふわふわとしたまま、ベッドから降りて洗面台に向かう。
ぼさぼさの髪を櫛でとかすと、自分の下に抜けた赤茶の髪がはらりと落ちる。
とかし終え、蛇口をひねれば水が出てくる。
ばしゃばしゃと顔を洗い、水滴るまま鏡とにらめっこ。

「――お腹空いた」

―――

朝食を手短に終わらせ、大学に行く準備をする。
とは言っても携帯やノートをバッグに入れるだけだ。
どうせ講義よりサークル活動メインなのだから。

―――

「クミおはよう！」

暖かくなってきた外の気温にも身体が慣れてきて、自然と気持ちが軽くなる。
俺は親友のクミを発見し、たたたと駆ける。
クミは基本喋らないため感情が読み取りづらいが、一緒にいれば動きで読めるようになる。
クミがうんうんとうなづく。これはおはようと言っているのだ。

―――

「トモさんおはようございまーす」
「おはようございます」

サークルで使っている部屋に入ると既にメンバーは揃っていた。
リトさんとアイクさん。二人は新聞を読んでいたようだ。

「おっはー。なにそれ？」
「え、今朝のニュースみてないんすか？総合美術館でまた骨董品が盗まれたんすよ」
「盗まれた？誰に？」
「怪盗モガミですよ」

アイクさんがすかさず割って入る。
怪盗モガミは最近この街の美術館や骨董品店を中心に貴重品を盗んでいる怪盗だ。
話は聞いていたが、それについて詳しくは知らない。――多分。
俺は二人に、怪盗モガミについて詳しく聞いてみることにした。

―――
新シリーズです。