苦しい ページ44
「セナさんと、一緒に住んでたんでしょ？！まだ好きなの？！…荷物もまだ残したままで……ほんとはまだ好きなんでしょ？！」
「は？！なんのこと？！」
「…玄関入って右の部屋が、セナさんの部屋だって、言ってた！！」
「違う！あの部屋は俺の姉さんの部屋だよ！！」
「…え？」
「……姉さんが結婚するまで一緒に住んでたんだよ。結婚したからそのうち荷物は取りに来るけど、まだ置いてあるだけ」
「………」
「…なんで、すぐ俺に聞かないの？」
「……怖かったから……」
「…なにが？」
「……セナさんと、一緒に住んでたって言われるのが、怖かった…」
「…信じてないの？…俺のこと…」
「信じてるよ！…信じてるけど……」
「…けど、なんだよ？やっぱり信じてないんじゃん…」
「……だって、セナさんと、キスしてた！」
「…それは、謝っただろ？」
「…だけど！！」
「……自分だってジュノとキスしたじゃん」
「あれは！！酔っ払って！！」
「俺とジュノ間違えるなんて……」
「……ほんとは、分かっててキスしたんじゃないの？」
「！？…ひどい！！！」
涙がボロボロ溢れだす
「…っ、なんでそんなこと言うの？！……っ、今のはっ、今のはひどいよ！！！」
「……」
「…っ、信じてないのは、ウヨンじゃない！！！…っ、ほんとはずっとそう思ってたの？！…っ、うっ、…っ、……！？」
「……」
「…っ、はっ……っ、……」
……あ、ヤバい……過呼吸に、なる……
「…A？」
……それまで、私達の電話を後ろを向いて黙って聞いてたジュノが、私の異変に気付いて振り向く…
「…はっ、…はっ、…っ、……」
胸に手を当ててうずくまる……
「A！？どうした？！」
ジュノが駆け寄ってくる
《……A？どうした？》
電話の、奥からもウヨンの声がする……
……学生の、頃はよくなってたけど、社会人になってからは大丈夫だったのに……
「……っ、……はっ……っ、……」
…こんな苦しかったっけ……
「A！？A！？」
ジュノが私を抱きしめる
「なに？！どうした？！」
ジュノの腕をぎゅっと握って
「…っ、…っ、……」
『…A？！』
どんどん意識が遠ざかる……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：hana | 作成日時：2018年7月9日 7時
