返したくなくなる【ジュノside】 ページ45
【ジュノside】
Aが……ウヨンと電話でケンカしてる
………ほんと、めんどくさい……
…だけど、Aのことを放っておけない自分がいる…
…俺、さっき。
…………
っと、Aが苦しそうな息遣いになっていることに、気づく…
「…A？」
Aを見ると、苦しそうに顔を歪めてる…
俺が、駆け寄ると
倒れ込むように俺に掴まる…
「A！？どうした？！」
どんどん意識が遠ざかってる…
『A？！』
電話の奥から
『ジュノヤ！！過呼吸だ！！たぶん！！過呼吸！！』
ウヨンの叫び声が聞こえる
俺は、電話をとる
『ウヨン！なに？！』
《過呼吸だ！なんか袋で口を塞いで！！》
『過呼吸？！…袋？袋！！』
Aを抱えながら回りを見渡すけど何も見当たらない
………昔、ドラマかなにかでみた……
………
…………
俺は、電話を切って
Aの口を自分の唇で塞いだ……
………しばらくすると、Aの呼吸が落ち着いてくる……
「……はぁ、…はぁ……」
「……A…？……大丈夫か？」
俺の腕の中で、深く呼吸をするA…
「……ん、大丈夫……はぁ。ありがとう…ジュノ……」
弱々しく笑う……
………良かった…
ぎゅっと抱きしめる…
「……はぁ。ビビった……良かった……」
Aが、俺の腕を握る…
「……ごめんね。…私も久しぶりに過呼吸になって、びっくりしちゃって……」
「でも、もう大丈夫」
って、俺の腕から離れようとする…
………
ぎゅぅ
「？！」
………離したくなくなった…
俺は、強くAを抱きしめる
……ウヨンのだって分かってるのに……
…Aのことを離したくなくなった……
「……ジュノ？……ありがとう。もういいよ？」
俺は、首を振る…
「…違う……」
「え？」
「……ごめん、A。俺、お前のことウヨンに返したくなくなった……」
「え？」
「……そんなんなるくらいなら……俺のところにいろよ」
「…俺は、お前をずっと笑わせてやる…傷つけることなんて、しないし……大事にしてやれる…」
……俺は……なにいってんだ……
そんな事も頭を掠めるけど……止まらなかった…
Aが、離れようとするけど…
俺は、もう一度抱きしめ直す…
……Aの携帯が、ずっと鳴ってる…
……ウヨン……
ごめん
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作者名：hana | 作成日時：2018年7月9日 7時
