14 ページ17
『っ……私をどうするつもりですか。異能力を利用しようと思ってても無駄ですよ』
太宰さんの異能力……其れは恐らく“異能力無効化”。
力に頼りっぱなしの私からしたら…天敵に値する人物だろう。
ツゥ…と、嫌な冷や汗が頬に伝う私に対して、太宰さんはずっとにこにこ笑っている。
…………………笑っていないで先ずは其の絡んでいる手を離してほしい。いや、自分で離そう。
手を振り払おうと片手に力を入れた時、ふと太宰さんの口が開いた。
太宰「ふふっ…そもそも私は端から異能目当てじゃあない。Aちゃん自身が欲しいなぁ…」
ギュッと太宰さんの手が私の手を更に強く掴んだ。
『〜〜〜〜〜〜〜っ離してください!』
太宰「うーん? 何だってぇー? 私、私の言ってる事を信じてくれない人のお願いは聞こえないのだよ〜」
此の男は〜〜〜〜〜っ!
いや…一旦落ち着けA。冷静になろう。
ふぅ…っと深呼吸して、全身の力を抜く。
『………分かりました。信じます。信じますから其の手を離してください』
太宰「おや、急に冷静……」
『離 し て く だ さ い』
私が再度言うと、太宰さんは残念…と、含んだ笑みを浮かべながらも離してくれた。
『別に……探偵社がどうであれ、今日限りで私に関わるのは辞めてくださいね。……………賢治くんは別として』
クレェプ奢っていただきありがとうございました。と、太宰さんの手からクレェプを取って、其の場を立ち去った。
いや…立ち去ろうとしたんだけどね。
『まだ何か…?』
太宰さんが私の腕を掴んで其れを止めた。
私の腕やら手やら掴むの多いな此の男。
太宰「…………Aちゃん。私は此れでも一応探偵社の社員なのだよ」
『……知っています』
太宰「其処でなんだが……。Aちゃん、私と取引しないかい?」
175人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恋雪 - こんにちは恋雪です。最近「文スト」見始めたばかりで、まだ3季くらいまでしか知らないのですが、太宰さん推しです。作者様の表現力すごく高くて尊敬します!!これからも更新待ってます! (2023年3月17日 13時) (レス) @page16 id: dcf3f843ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヲタクJK | 作者ホームページ:non@nikoniko
作成日時:2023年3月16日 2時