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その子は上司に連れてこられた。
その腕は白くて折れそうだった。
傷みまくった髪はその顔を隠し、中也にはその女児の口元しか見えなかった。
「なま、えは…。」
自分の名前は言えるようだったが声が小さく、誰にも聞こえなかった。
ああ、またか。
思ったことはそれだけだった
この場所に子供がやってくるなんて日常茶飯事で、興味を持つことは無かったのだった。
しかし数日後。
中也はある噂を聞いた。
『あの小さな少女はとても強力な異能力を持っている。』
その噂はポートマフィアの全ての人物に伝わった。
中也はその状況や異能についてもっと知りたかったが、その子の噂をする者はぴたりと居なくなった。
首領が止めたのだろう。
現在、異能については、首領しか知らない。
少女を連れてきた上司は死んだからだ。
異能力を知らないからと言って、中也はその少女と一切関わってこなかった訳では無かった。
むしろ組織の中で一番彼女に心を許されている存在だ。
「だからこうなってる訳だ……。」
A、と呟いて三度目の溜息をついた。
中也は一つの重大な任務を任されていた。
それは、あの少女を取り戻す事。
『中原君、Aを連れ戻して来てくれないか。あの子の異能は強すぎる。』
首領の声が脳内で響いた。
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秦弓月(プロフ) - お返事が遅くなりすみません。素敵なお話ありがとうございました。 (2018年12月29日 13時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - 遅くなって本当に申し訳ありません!完成しました。 (2018年12月22日 1時) (レス) id: cc1fa790a0 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - あやなさん» 了解しました!なるべく早く投稿できるようにするつもりですが、少し遅れてしまうかもしれません。 (2018年9月15日 22時) (レス) id: f7b9203701 (このIDを非表示/違反報告)
あやな - その後、彼の側に居たいとポトマを出奔し、ボスの側近として敵組織に与してしまいます。彼女の異能力が悪用されることを恐れた首領から連れ戻すよう命じられた中也さんは…という感じです。よろしくお願いします。 (2018年9月14日 21時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
あやな - 猫又さん» 中也さんの方の設定が固まりましたので、コメントさせていただきます。全体のコンセプトは「中也さん×裏切り夢主」です。夢主は中也さんの幼なじみの異能力者で、補佐役を務めていました。しかし、ある時敵のボスに恋してしまいます。(続きます) (2018年9月14日 21時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:猫又オイル | 作成日時:2017年3月14日 21時