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頼りがいの意味 ページ11






「硝子、」



誰かを横抱きにしながら、教室の扉を無遠慮に開き、五条は言った。呼ばれた家入は、ん、と顔をこちらに寄越し、それから腕に抱かれた少女を見て顔を顰めた。




「こいつ死ぬ?」



「死なねえよ、死なせねえよ、」




五条まで近付き、ある程度傷の確認をし、家入は呪力を込め出す。呪力同士を掛け合わせ、反転させ、正のエネルギーを作ることで、意識がないAの傷が治っていく。




「前より強くなったはずなのに、なんでこんな怪我してんのさ、なんで五条がAといる」




治療は辞めずに家入が言う。あちこち打った跡があるし、口の中が切れるほどの衝撃を受けている。




「上層部っつったらわかんだろ」




家入は舌打ちを隠すことなく響かせると、またかクソ、と気分が悪そうに吐き捨てた。五条は呼吸が楽そうになったAを見据え、は、とため息をつく。




七晴(あいつ)も、こいつみてぇに俺を頼ればよかったのにな」




そんなことは家入の前では言えず、ぐっと黙り込む。一先ず大丈夫だろう、と家入が術式をといたのを確認し、部屋へ送ると提案した。



そう、ここは教室の扉の前。



「女子の部屋にお前みたいなクズ、入れるわけないだろ。」



わたしの部屋でいい、と家入は五条の前を歩き出す。めんどくせぇ、と苦い顔をしながらも、五条は大人しく後を追った。













頭、ぼやぼやする。でも身体痛くないし、何だか、無性に安心する。



ああそっかおねえちゃんか。またわたしが寝てるうちに入って来て、寝てるうちに出て行くんだ。



待って、待ってよ、今起きるから。




『おね、えちゃ、ん』




拭われた水滴と、伸ばした手を、何倍も暖かい手のひらが握ってくれた。




頭はようやく回ってきた。七晴(ななせ)じゃない。当たり前だ、だって七晴(ななせ)はもういないのだから。




じゃあ、そばに居るのは、




『しょ、うこ』



「そうだよ、私だよ」




体を起こして目をひらけば、優しく笑う硝子がいた。なんでここに、とかそういう疑問全部捨てて、気づけば抱きついていた。




『わたし死んじゃったかと思った』



「死なせないよ」



七晴(おねえちゃん)って呼んでごめんね』



「別にいいよ」



硝子は笑って頭を撫でてくれる。



『そばに居てくれて、ありがとう』



「礼なら五条に言えって。A助けたの五条なんだから」



うん、ちゃんと全部、覚えてる。



五条さんの腕も暖かったよ、七晴(ななせ)

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nono(プロフ) - 救済してほしいです!更新待ってます! (10月28日 13時) (レス) @page13 id: 9ef243ee9f (このIDを非表示/違反報告)
カリフラワー - 好きです!!!救済してほしいです!更新を楽しみに生きます!! (10月1日 17時) (レス) @page13 id: f9715fa0cb (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 救済してほしい! (9月10日 18時) (レス) @page13 id: 23ef5c5b40 (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこさん - 普通ならバーカっていうところをばあかって言ってるの可愛すぎる!更新待ってます! (8月17日 23時) (レス) @page13 id: ecfb4bc453 (このIDを非表示/違反報告)
愛実 - 救済してほしいです…!!めっちゃ好きです更新頑張ってください!!! (8月17日 20時) (レス) @page13 id: e769ed5532 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はく | 作者ホームページ:無いっス。  
作成日時:2023年8月13日 12時

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