雨恋 黄緑 ページ49
黄side
雨は嫌いだ。
突拍子もなく降ってくる。予定は狂うし、濡れるし、寒いし。
でも、雨の日に出会ったあの人のことだけは今も忘れられない。
＿＿＿＿＿
予定調和に仕事を終わらせ、会社を離れた矢先、雨が降ってきた。
あと10分で家につく。でも、コンビニによって傘を買うと15分に家につくことになる。
5分の差は俺には大きいことだった。
このままずぶ濡れで帰ろう。そう、決意したとき。
公園で雨に濡れる青年を見つけた。
10こ近く違うと思う年齢。
今年30になった俺。こんな年して男に目がいくとかなんやねん。
もう結婚しててもいい年なのに、今彼女は居らん。リア充の彼女片っ端から奪っていきたい衝動にかられるわ。
錦「……おーい？大丈夫か？」
「…？」
錦「いつからそこに居った？ずぶ濡れやで、自分。」
「あ……」
錦「家は？わかるか？はよ帰らんと危ないぞ。」
「……ぅ…。」
錦「なんか言えや！わかれへんやんけ！」
「…ひっ、」
錦「……はぁ…。来い。」
「へっ、……ぁ、どこ…？」
錦「俺の家や、ボケ。」
5分以上のロスが生じてしまったが、なぜか後悔はしてなかった。
少しだけ、可愛いと思った。
家につき世話をやくと、緊張がほぐれて気を許したようにペラペラ話始めた。
「大倉、忠義です。」
錦「錦戸亮です。大倉はあっこで何しとったん？」
大「俺…雨好き、やねん。
雨の日は、濡れに出るの。そんで、スッキリするん。何か、雨好きなん。」
錦「へー…なんか、ごめんな。勝手に連れてきたみたいやな…。」
大「んーん。いつも通る人に心配されてるし。嬉しいよ？」
錦「そっ、か……。」
雨の日に公園を見ると、いつもずぶ濡れで立つ青年が居る。
そいつは雨の日にしか居なくて、雨の日にしか会えないけど、公園の前を通るたび毎回俺に微笑みかけてくれる。
雨の日に公園に居る雨の妖精さんのおかげで、少しだけ雨が好きになった。
(微笑む顔に『好きです』って書いてんねん。)
end.
(『その5』最後のお話は可愛いのが書きたくて、私の住んでる所が雨だったので書いてみました。くっついてはない二人です。最後のかっこのところは、錦戸さんのセリフです。大倉さんが強引さに引かれた…ってことにしておいてます(笑))
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜義 - にうさん» にうさん！ありがとうございますー！これを思い付いた時にはもう、『あぁ、辛い』って思っちゃってて投稿するか迷ったんですが…。悲しいですよね、この話。リクエスト等あったら、何なりとどうぞ！ (2017年6月18日 12時) (
レス) id: a2e8deaa06 (このIDを非表示/違反報告)
にう(プロフ) - うわぁぁぁぁぁん！えーす…涙ぱっち設定大好きです。。。最後のエースの手紙にやられました、、、来世で〜お前女側な。でぎゅーーっとなりましたよ！心が！笑 (2017年6月18日 2時) (レス) id: 9ae15cb049 (このIDを非表示/違反報告)
夜義 - コメント、リクエストくれるとありがたいです。お願いします！ (2017年6月17日 22時) (レス) id: a2e8deaa06 (このIDを非表示/違反報告)
夜義 - にうさん» にうさん、ありがとうございます！なんか考えさせるような小説が書きたくて…！コメント貰えて、こちらも考えたかいがありました！とっても嬉しいです！ありがとうございます！ (2017年6月12日 23時) (レス) id: a2e8deaa06 (このIDを非表示/違反報告)
にう(プロフ) - すごいすごいすごい！「言葉は頭だけでいい」ってそういう事なんですね！いつも読んだ後はキュンと感動と納得が混じって不思議な気持ちです…笑これからも頑張ってくださいー！ (2017年6月12日 23時) (レス) id: 9ae15cb049 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜義 | 作成日時：2017年2月23日 7時
