ごめんね白雪姫 黄緑 ページ20
(白雪姫パロ)
死ネタです。注意！
黄side
人の視線を集めるアイツに嫉妬したのは、つい２週間ほど前だった。
目立たなかったアイツがみるみるうちに綺麗になっていく。
美しさを見いだしたのは俺だった。
それゆえに、アイツの心を手に入れたのも俺だった。
２週間前、
女にチヤホヤされる大倉を見てはイラつき、酷く嫉妬した。
ただ、俺はいくつか間違いをしていた。
俺が嫉妬していたのはアイツをチヤホヤしていた女達だったこと。
『俺が一番でいたい』という間違いだけで、アイツを殺してしまいたかったこと。
全てが間違いだった。
アイツを殺るため、俺は毒を飲ませようかと考えた。
アイツはまだ、チヤホヤされている。
アイツはまだ、俺にフワリと微笑みかける。
アイツはまだ、俺を愛している。
錦「大倉、これ食うてみて。」
大「うわぁ、焼きリンゴ。凄っ、作ったん？」
錦「おん。…食ウテミテ？」
狂っていたことは、わかってたんだ。
だって、俺はアイツをまだ愛しているんやから。
大「ん！……ん、ぅ…っ、……。」
錦「美味しい？大倉。どぉ？俺の嫉妬の味。」
大「なん、で…？りょ、ちゃっ…。」
それから、大倉は静かに目を閉じた。
アイツの目から一筋、涙がこぼれた。
それを合図にバタリと倒れた。
何でか、涙がこぼれた。
震えが止まらなかった。
嬉しいはずなのに、全く嬉しいくなかった。
床に崩れ落ちた。
錦「お、くら。………おーくら、起きて…。謝るから、起きてや。大倉、お願いやからっ！」
大倉が目を冷ますことはなく、息が途絶えていた。
ただ、少し笑っている気がした。
これじゃまるで、こんなことしても愛されてるみたいじゃないか。
俺が。俺だけが、悪いみたいじゃないか。
錦「……白雪姫みたいやんけ、お前。チューなんてしても、起きひんねやろ？王子様なんかじゃ、ないし。俺。格好悪いな、ごめんな。…俺も………」
俺も。俺も今、そっちに逝くから。
行き先は多分違うけど、向こうに逝くから。
錦「向こうでも、俺んこと好きで居ってな…？大倉。」
俺の間違いと、償い。
そのために『毒リンゴ』をひとつ、
手に取った。
錦「ごめんね、白雪姫…。
……………サヨナラ。」
(夜空舞う、君への償いは愛を贈ることだけ)
お前を抱きながら、長い眠りについた。
end.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜義 - にうさん» にうさん！ありがとうございますー！これを思い付いた時にはもう、『あぁ、辛い』って思っちゃってて投稿するか迷ったんですが…。悲しいですよね、この話。リクエスト等あったら、何なりとどうぞ！ (2017年6月18日 12時) (
レス) id: a2e8deaa06 (このIDを非表示/違反報告)
にう(プロフ) - うわぁぁぁぁぁん！えーす…涙ぱっち設定大好きです。。。最後のエースの手紙にやられました、、、来世で〜お前女側な。でぎゅーーっとなりましたよ！心が！笑 (2017年6月18日 2時) (レス) id: 9ae15cb049 (このIDを非表示/違反報告)
夜義 - コメント、リクエストくれるとありがたいです。お願いします！ (2017年6月17日 22時) (レス) id: a2e8deaa06 (このIDを非表示/違反報告)
夜義 - にうさん» にうさん、ありがとうございます！なんか考えさせるような小説が書きたくて…！コメント貰えて、こちらも考えたかいがありました！とっても嬉しいです！ありがとうございます！ (2017年6月12日 23時) (レス) id: a2e8deaa06 (このIDを非表示/違反報告)
にう(プロフ) - すごいすごいすごい！「言葉は頭だけでいい」ってそういう事なんですね！いつも読んだ後はキュンと感動と納得が混じって不思議な気持ちです…笑これからも頑張ってくださいー！ (2017年6月12日 23時) (レス) id: 9ae15cb049 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜義 | 作成日時：2017年2月23日 7時
