泣かないで、笑って？（桃） (ページ8)

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ちっちゃい頃からずっと病院通いやったしなぁ。

ポツリ、と呟かれたその言葉は、私には重くて、押しつぶされそうになる。

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「、ベリーちゃん、そんな顔せんで？」

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のんちゃんは私の顔を見て、困り顔で笑った。

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そんな優しいのんちゃんに、なぜか涙が滲んで、

「ふはっ、なんで泣きそうやねん笑。ほら、これやるから泣かへんで？」

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溢れそうなところでグッと我慢して、のんちゃんからそれを受け取った。

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右手のひらにひんやりとした感覚。

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「本当にこれ好きなんだね」

「言うたやん！好きやねんって」

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丸い文字で“いちごミルク”と書かれたそれ。

私とのんちゃん、同時にストローに口をつける。

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「あまっ笑」

「それがええやん」

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さっきの重い空気はどこへ行ったのか、のんちゃんと二人で笑いあって、いちごミルクを飲んでいた。

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ああ、幸せ。

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このまま学校に行かずに、のんちゃんと話していたい。

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そんなこと思ってるなんて、学校に行きたいのんちゃんには、とてもじゃないけど言えなかった。

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