今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:76,697 hit
小｜中｜大
○９ ページ9
.
「なぁ、それ何されたん」
珍しく、少し怒ったような口調の大毅。
その原因は、私が何も話さないからなのだけど。
.
「なんでもないって」
「嘘やろ？バレバレやねん」
.
鋭く向けられたその目は、私がまた黙ることを許さない。
「ちょっと突き飛ばされただけ。この傷は、転んだ時に擦りむいたやつ」
「あとで絶対しばいたろ」
.
いじめられるきっかけなんて、すっごく小さな事だった。
見ていられなくて、いじめられている子を助けただけ。
それだけでいじめの対象を乗り換えるなんて、みんなきっと余裕がないんだ。
下手したら、次のターゲットは自分かもしれない、なんて思ってるのかもしれない。
.
だからみんな、自分の気持ちを偽って、周りに嫌われないように生活してる。
そんな人たちと仲良くなるくらいなら、こうやっていじめを受けるほうがまだまし。
.
でも私は弱いから、“大毅”という逃げ場に毎回逃げてきてしまう。
.
変な意地はってるくせに、それで自分を苦しめて、
一人じゃ何にもできない自分が、悔しくて、憎くて、嫌いだった。
.
.
だから、のんちゃんみたいな私と真逆な人に会って、私は変わったのかもしれない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 213人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えぇふぇす | 作成日時：2018年2月15日 23時
