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「っ、ベリーちゃん！？」
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私が部屋に入ってすぐ、のんちゃんは大声で私の名前を呼んだ。
「…」
当たり前だ。
制服はほこりまみれ。
髪は乱れて。
表情なんて、ひどいものだろう。
「なぁ、ベリーちゃん」
のんちゃんが優しい声でそっと話しかけてくれるから、
余計に何も言えなくなる。
でも、言わなくちゃ。
ちゃんと、伝えなきゃ。
「ごめんね、ごめっ、のんちゃぁ、」
粉々になったクッキーとズタズタにされたミサンガを見せる。
のんちゃんにもらったもの、守れなかった。
のんちゃんに作ったもの、壊されてしまった。
ただただ今はのんちゃんへの謝罪の気持ちでいっぱいで、泣きながら謝り続けた。
「ごめん、のんちゃんっ」
「ベリーちゃん、」
“おいで”
両腕を広げてのんちゃんはゆっくりそう言った。
その胸に飛び込めば、優しいぬくもりに包まれる。
のんちゃんの匂い。甘い、優しい、そんな匂いだ。
一定のリズムで撫でられる頭。
それがなんだか心地よくて、ここにいてもいいんだよって言われているみたいで。
涙は、のんちゃんの優しさのおかげでなかなか止まってはくれなかった。
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この日のんちゃんは、いつもと逆のことを言った。
優しくて、あったかくて、私が安心する言葉を。
「ベリーちゃん」
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“いっぱい泣いてええんやで”
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作者名：えぇふぇす | 作成日時：2018年2月15日 23時
