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そんな願いも惜しく、クッキーは音を立てて割れていく。
彼女たちにめちゃくちゃに踏みつけられていく。
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見ていられなかった。
あんなにも大切に作ったクッキーが、
のんちゃんの笑顔を想像して作ったクッキーが、
こんなにも簡単に壊れていくなんて。
「ははっ。きったな笑。こんなん触りたくもないわ笑笑」
反抗する気力も無くなってしまった。
のんちゃんに、合わせる顔がない。
何も考えず憂鬱になっていたけど、次に聞こえてきた音にまた凄まじい恐怖を覚えた。
刃物の擦れ合う音だった。
「前から思っとったんやけど、そのミサンガまじでダサいで笑笑」
「あたしら優しいから、切ったるわ」
「ほんま、感謝しい」
真ん中の子の手に握られた、ハサミ。
体は少しも抵抗してくれなくて、あっさりと切られてしまった桜色のそれ。
しかも、その後もハサミでズタズタにされて、もはやミサンガという原型をとどめていない。
「はぁ、そろそろ帰ろっか」
「そうやな、もう飽きたし」
彼女たちは、私に見下すような笑みを残して出ていった。
頭が真っ白で、のんちゃんのことが考えられない。
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せっかく楽しみに待っていてくれているのに。
のんちゃん、ごめんなさい。
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作者名：えぇふぇす | 作成日時：2018年2月15日 23時
