泣かないで、笑って？（桃） (ページ43)

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ゆっくりと開けた目の先にあったのは、桜色のミサンガだった。

「これ、のんちゃんが作ったの？」

「おんっ！ここにおっても暇やしなぁ」

丁寧に編まれたそのミサンガは、引き出しの中にもうひとつ入っていた。

「もう一個は？」

「あ！バレてもうた笑。これは俺の」

内緒でお揃いにしようと思っとったんにー。

いたずらっ子のように笑うのんちゃんに、また“好き”が募っていく。

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サンタさん。

私は、この幸せな空間と、のんちゃんの笑顔をプレゼントに頼んでもいいですか？

「俺、今年のサンタさんからのプレゼントいらんわ」

透き通った瞳で私を見つめたのんちゃんは、また私の鼓動を速めた。

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“もうベリーちゃんにいっぱい笑顔をもらったから”

トクトクと高鳴る鼓動、じんわりとあったかくなる気持ち。

「もうあんまりクリスマス関係あらへんけどさ、ずっと笑っとってや、ベリーちゃん。そしたら俺も笑顔でいられるから」

だからこの日、私は強く心に決めた。

のんちゃんを笑顔にするために、

泣いてばかりいないで、たくさん笑おう、と。

のんちゃんのこと、しっかり支えてあげよう、と。

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