泣かないで、笑って？（桃） (ページ27)

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次に目が覚めた時には、陽の光が窓から差し込んでいた。

午前8時20分、大毅はもういなかった。

そのかわりに、ベッドの付属のテーブルに置き手紙があった。

『あんまり無理せんでな』

たった一文、丁寧とは言えない字だったけど、その文はとても暖かい。

私の不安をちょっとだけ取り除いてくれた。

のんちゃんのところに、行こう。

きっとのんちゃんは元気だ。

また甘い声でベリーちゃんって呼んでくれるはず。

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のんちゃんから教わった、不安の対処法。

悪い方向に考えちゃダメ。

何事も、ポジティブに考えるんだ。

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そして、のんちゃんの部屋の前、扉をノックした。

中から聞こえた返事は、のんちゃんの声ではなく、女の人の声だった。

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「失礼します…」

「あら、女の子が来るなんて…。望いつのまにこんなかわええ彼女作ったん…？」

のんちゃんに話しかけるように、その人は呟いた。

第一印象は、“綺麗な人”。

「か、彼女じゃなくて、友達です！」

「そうなん？なんか残念。望のこといじられへんやん」

のんちゃんと同じような、甘い声。

のんちゃんと同じくらい整った顔。

この人、もしかして…、

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