泣かないで、笑って？（桃） (ページ31)

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「…、えっ！？」

びっくりし過ぎて大きな声を出してしまったけど、大毅も同じくらい大きな声で「え！？」と言った。

「え、まってまって、ちゃうの？」

「そんな風に考えたことなかった…」

っていうか私、恋とか無縁の人だからそれがどんな気持ちなのか知らない。

「そう、なのかな…？」

考えれば考えるほどわかんなくなって、でも大毅が言ったことはなぜか否定できなかった。

「大毅はわかる？“好き”って気持ち」

中学からずっと大毅と一緒だったけど、大毅の恋ばなは聞いたことがない。

だから、余計に気になったし、私もその気持ちを知りたかった。

「わかるで。なんかこう…、すっごく大切にしたいねん。自分で、その人を守りたいって思うねんで」

「好きな人いるの？」

大毅と一緒にいたわたしだからわかる。

大毅には、彼女がいたことがない。

「んん、秘密！」

目の下をくぼませて笑う大毅は、隠しているつもりだろうけどどこか切なげだった。

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私はのんちゃんのことが好きなのかな？

だからこんなに、のんちゃんを笑顔にしたいって思うのかな？

そんな事を意識して、のんちゃんとうまく話せなくなるのは嫌だから、一旦考えるのをやめた。

そのことは、また後で考えよう。

じっくり考えれば、きっと答えも見つかるはずだから。

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