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○３ ページ3
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自動販売機で大毅の水を買って、私は何にしようかと迷っていた。
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飲み物を見つめていると、背後に人の気配。
「あ、お先にどうぞ」
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私まだ決まってないし、後ろの人に先に買ってもらおうと思って、そう声をかけた。
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「ありがとうございます」
振り向いて、その人のことを見る。
キリッとした眉毛、垂れた目、スッとした鼻、
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その人は、とっても顔の整った背の高い男の子だった。
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大人っぽいけど、多分私と同じくらいだろう。
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彼は、自動販売機に手を伸ばして、ピンクのパッケージの商品を取った。
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大人っぽい彼からは想像できない、
「俺、これめっちゃ好きやねん」
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彼が手に取ったのは、“いちごミルク”だった。
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「うまいんやで、これ」
俺のオススメ、なんて甘い声で言うから、
つい、いちごミルクを買ってしまう。
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「買うんや笑」
「だってそんなに推すから…」
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懐かしい感じの、ピンク色のパッケージは、
私と彼が出会えたきっかけ。
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大切な、大切な思い出。
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作者名：えぇふぇす | 作成日時：2018年2月15日 23時
