【HQ】アイドルの兄たちに愛されちゃってます。【赤葦/白布/国見】

Stellaと学校生活５ ページ26

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どうしてこうなった。

「これで、俺たちと一緒だね。A。」

何故か、すぐ隣にいる英に甘い声で微笑まれる。苦笑いしか返すことのできない私とは裏腹に、女子たちの悲鳴に近い叫び声が聞こえる。
ああ、終わった…。Stellaを遠くから眺めて幸せをもらう平穏な日々が、本当に今日で完全に終わってしまった。

「じゃあ俺教室に戻るね。賢二郎に怒られちゃう。」
「そ、そっか。じゃあね。」

ばいばいと手を振り返す。頰が痙攣して、自分の笑顔が引きつってるのが鏡を見なくとも分かる。本当に私、大女優の娘であってる？取り違えてたりしないかな。流石に無いか。


事の始まりは１０分前。LHRで体育祭の係を決めようとしているところ、じゅぎぃう中にもかかわらずふらりと英がA組に現れて私を応援団に推薦したのだ。応援団は全クラス各2名ずつ選出し、昼過ぎにある応援合戦では学ランを着て応援をするので体育祭の中でも花形になっている。

「他にやりたい子だっているかもしれないし……私は用具係とかでいいから、ね？国見く……」
「他にやりたい子いる？」

全員が首を振る。何でだよ！こんな時に限って！

「じゃあ決まり。」

そう呟いた英くんが近づいて来て、耳元で囁く。

「勝手に変わったら……どうなるか分かってる？」

いつもよりワントーン低い声。え、こんなキャラだったっけ。英は確かかわいい担当じゃ……驚きのあまり体が固まる。しかし、英は私から離れると何食わぬ顔をしてふにゃりと微笑んだ。……さっきのは(脳が混乱するから)なかった事にしよう。


そして冒頭に至る。応援団の男女比は決まっていないから、きっとB組の応援団は賢二郎と英だろう。出来るだけ接触を避けたかったのに、まさかこうなるなんて……！

「じゃあ七瀬ともう一人、誰かしたい奴いるか？」
「角名でいいんじゃね。」
「そうだよ！AはStellaと絡むから十分でしょ。」

角名くん。黒縁眼鏡をつけていて、顔はいつも前髪で隠れている。人と話しているところは殆ど見たことがなくて、無口な人っていう印象。去年は見かけた事ないから、別のクラスだったのかな。嫌いとかではないけど、応援団には向いていない気がする。

結局、角名くんが何も言わないのを良いことにクラスのみんなは面白半分で応援団は私と角名くんになってしまった。

「よろしくね、角名くん。」
「……」

前途多難な体育祭になりそうです。




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