全方位から狙われています。【名探偵コナン】３

降谷さんとの出会い９ ページ9

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何を企んでいる。Aは隠しているつもりだろうが赤の他人でもわかる。最近、Aの体に傷が増えた。

普通に生活していれば、出来ないような手の豆や身体中の痣。動向を伺うために、忍ばせておいたGPSも付ける度に完璧に壊されていて、彼女がどこで何をしているのかが全くと言っていい程分からない。俺が仕事から帰る頃には必ず、家にいるので野暮なことも聞けない。さすが、理事官の孫娘である。中学生ながらによく出来た行動だった。

それに加えて、今日の話。心を塞ぎきったAにそれらしき友人がいるとは到底思えなかった。

悩み事を相談できる関係じゃないことぐらい分かっている。利害の一致で俺たちは一緒に住んでいるんだ。俺もAも生活できるレベルに家事を分担すればいいし、側から怪しまれない程度に人前では仲の良さを見せれていればいい。

Aが納得するようにそう提案したのは俺だが、今では後悔している。無理矢理にでも本当の信頼関係を築けば良かった。
もう手遅れなことぐらい分かっているが、中学生一人を手に負えなくてどうする。何かヒントが残されていないか、部屋中を探し回ったり、Aの様子や顔色に今まで以上に気を付けた。

そんな時、Aが学校に行っている間に部屋で見つけたのが、アメリカ行きの航空券。
日程はちょうどAが友達の家に泊まりに行くと言っていた日だ。アメリカとゴールデンウィーク。すぐにピンときた。

マフィアだ。Aの両親を殺害したマフィアに、マフィアを潰しを得意とする組織が突入すると聞いた。まさか、そこに加わるつもりなのか……？
その組織に知り合いがいるのかも分からないし、どういう計画なのもまるでわからないが、協力者がいるのは間違いない。今度は盗聴器でも仕掛けるか。

アメリカ行きを阻止するために、この航空券を隠してしまおうかと思ったが、ただでさえ悪い俺とAの関係に亀裂を入れてしまいかねない。信頼度が今以上に下がれば、俺の意見などまともに聞き入ってくれなくなる。惜しいが、見つけたことがバレないよう定位置に戻した。

しかし、このまま見過ごしておけるわけもなく、理事官に時間を開けてもらいAのことを話すことにした。返ってきたのは、予想外の返答だった。





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