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「……ねえ、それってさ__________」
どうしても気になってしまい、口をついて出た、言葉。それは聞いてはいけないことでは?
頭ではわかっていても、本能には逆らえない。
「__________もしかして、もう一つの日本。もしくは、荒れ果てた世界…………って、あったりした?」
答えを、聞いてはいけないような気がして。
でも、どうしても気になってしまって。
「…ああ、あったぞ」
その言葉を聞いて、安心した。まだ、優たちに会える希望はある、と。
その言葉を聞いて、怯えた。ヨハネの四騎士が、吸血鬼たちが、来てしまうのではないかと。
「そっ、か……」
この言葉しか、もう出てこなくて。
絞り出すように言った言葉は、とても小さくて。
「だが、どうしてそんなことを聞いたんだ?」
でも、レプリカのその声に、現実に引き戻されて。
「説明してもらいたいな」
城戸さんの鋭い視線が、突き刺さって。
なにもかもが、嫌になる。
みんなを守れなかった、私が。
親友を、世界を犠牲にした、私が。
負の循環に囚われて、沈んで、沈んで。
ああ、このままじゃ、鬼に乗っ取られてしまうなぁ。と思いつつも、体は、口は、動かなくて。
まずい。そう思った時には、もう、乗っ取られ始めていて。
仕方ない、と思った私は、その意識を、闇へと投げ出した。
《借りるぞ》
直前に、そんな声が出て聞こえて。
はは、と乾いた笑いが口をついて出た。
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露亞(プロフ) - ワールドトリガーと終わりのセラフ!!最高です!尊いです!更新頑張ってください!! (2020年2月13日 18時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイン | 作成日時:2018年3月14日 7時