死んで花実が咲くものか 3 (ページ14)

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『大倉に唆されて企画し始めた卒業ライブやったけど、今となってはホンマにやってよかったと思います。こんなに沢山のファンと、スタッフと、先輩や後輩に見送られるなんて、私は幸せものです』

嵐6人で手を振ると、それを目敏く見つけたAは嬉しそうに笑ってくれた。

そして、満面の笑みで両手を広げる。

『西野Aってアイドルがおったこと、絶対に忘れんとってな。って言っても、ずっと私のことばっか応援してたらあかんで？先祖も帰ってくんの、お盆だけやん？それと一緒！』

若干不謹慎な例えをしつつ、Aは言葉を紡ぐ。

『私のこと、心の奥の奥に大事にしまって、どうしようもなくなった時だけ思い出してください。横山仕立てのヤンキー精神で、どんな状況でもぶっ飛ばしてあげましょう！嫌味な上司がなんだ！ってね』

カメラが順々にメンバーを映した。

皆が笑っている。Aの明るいスピーチに、皆の顔に笑顔が浮かんでいる。

『私のことは心配せんで！事故ってもこんな復活するくらい、運だけは持ってるから。だから、Eighter。皆の方が幸せになってな。嫌な気持ちって何？ってくらい幸せになってください』

Aの手が、忠とすばるくんの元に伸びる。

『関ジャニ∞の西野Aを愛してくれて、ありがとうございました！』

大喝采の中、祐くんが息を吸った。

横「じゃあ、皆さん。手繋いでください」

『そや、言うん忘れてた。アンコールは7人の新体制でやるから私は出ません！LIFE7人でやってんの見るん初やから緊張するわ』

倉「めっちゃ曲名ネタバレするやん」

『あっ』

村「今のマジやったな」

丸「最後の最後に(笑) 」

安「天然出たわ」

錦「顔おもろ」

渋「ひょっとこみたいなってる」

横「ちょっ、、もうええから！やるで！！」

祐くんが怒って、ようやく全員が手を繋ぐ。

客席のジャニーズも、先輩後輩関係なく手を合わせた。

横「8人最期の挨拶です！声出てるかー！？」

中継先の声を満足気に聞いてから、祐くんは名残惜しそうに笑った。

横「俺たちがー？！」

「「ふぅー！」」

横「最高でー？！」

「「ふぅー！！」」

横「最強のー？！」

「「ふぅー！！！」」

横「関ジャニーー？！！！」

「「「エイトーーー！！！」」」

銀テープがカメラに向かって飛ぶ。

画面がAのメンバーカラーに染まる後ろで、7人に揉みくちゃにされた彼女が映り。

そして。

西野Aのアイドル人生に幕が降りた。