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幻想的な照明のもと、葉加瀬さんにつけてもらったのだというヴァイオリン譜が奏でられる。
7人は、その美しい横顔や後ろ姿を、じっと見つめていた。
渋「今日も誰かがめぐり逢う 遥か遥か西の街 恋をするなら御堂筋から始まるのさ 雅なる物語」
しっとりとしたすばるくんの歌声を耳に、膝にヴァイオリンを下ろしたAはうっとりとした顔をした。
サビになってもその顔はずっと崩れなかった。
まるで、歌うことに喜びを覚え始めた子供みたいに。
Aは純粋に歌うことを楽しんでいた。
錦「今日も誰かがめぐり逢う 遥か遥か西の街 恋をするなら御堂筋から始まるのさ 雅なる物語」
再びヴァイオリンを手に、今度は大人びた顔になって亮くんの歌にそっと寄り添う。
落ちサビが終わって、亮くんは安心したようにAの方を振り向いた。
Aは彼に何度か頷く。よかったよ、とでも言うみたいに。
亮くんはそれを見て、嬉しそうに笑った。
何度聴いても色褪せない名曲だ。
皆がしんみりする中、信五くんが一人、マイクを手に取った。
村「それでは最後の曲です」
普段なら上がる客席からの声は一切ない。
誰もが、きっと嗚咽を堪えていた。
そして、誰もが。Aの最期を見届けようとしていた。
倉「僕らにとって、Aはかけがえのないメンバーの一人です」
下を向いて耐えるようにポツポツと言葉を絞り出す忠。
丸「ここまで20年、ずっと隣にいた仲間です」
そっと、自らの隣を。いつもAが居るその左隣を見つめる隆平くん。
安「たまに………ギクシャクもしたけど」
いい思い出だとでも言うように笑う章大くん。
渋「お前と俺らは、ずっと一緒に歩いてきた仲間」
たどたどしげに言葉を紡ぐすばるくん。
横「これからは、不本意ながら、道は分かれるけど」
拳をぎゅうと握りしめて、唇を噛み締める祐くん。
錦「俺らが歩んできた歴史は、揺るがへんから」
いつの間にか仏頂面じゃなくなって、ようやっと吹っ切れた顔を見せる亮くん。
村「俺らにとって、ニシの居る関ジャニ∞は、宝物です」
真っ直ぐな目でAを射抜いて、真摯にそう話す信五くん。
そして。
『私にとっても、皆の居る関ジャニ∞は、かけがえのない存在です』
そんな7人を、愛おしげに見つめるA。
彼女は息を吸って、吐いて。
本当に幸せそうに笑った。
『それでは、聴いてください。『青春のすべて』』
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作者名：藻くずちゃん | 作成日時：2022年9月28日 16時
