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櫻「そもそもだよ？もしAと兄さんが結婚したとして……それでAはアイドル続けんの？」
『さっきから言ってるけど、私は子持ちのアイドルとしてマトモに技術維持できる自信ないから』
櫻「ってことは続けないってことでしょ？」
それならリーダーが結婚しても無駄になる。
……いや、元から結婚に無駄も何も無いんだけど。
櫻「だってさ」
リーダーに報告するように翔くんがリーダーの方を向くと、彼はニヤニヤと笑っていた。
大「いいの？A」
『なにが？』
大「結婚したら、歌練付き合うよ？」
『えっ！？』
大「ダンスも見るし」
『ホントに？！』
いやいやいやいやちょっと待って。
二「それ結婚なの？」
呆れたニノの一声に残り全員が加勢する。
相「物で釣ってるじゃん」
櫻「結婚する意味ある？それ」
松「普通に俺らが定期的に世話手伝いに行くとかじゃダメなの？」
大「ダメだよ」
さっきまでのふざけ顔から一変して、大真面目なリーダーの表情に戸惑う。
大「A、耳栓」
『はい』
昔、下ネタとかが出てきた時によくやっていたやつだ。
Aに耳を塞がせて、俺がコソコソと内緒話をするという、何とも原初的な隠し方。
癖になっている俺らは、すぐにリーダーの方へ耳を寄せた。
大「Aは家族が欲しいんだよ。1人で1人の家族を抱えるのが不安なんじゃないの」
ヒソヒソと耳元に囁かれた言葉でようやく合点がいった。
リーダーが急に結婚を言い出した意味も、そこにあったんだろう。
櫻「でもさ……そんなの兄さんの意思はどうなんの。アナタにも将来のプランとかあるでしょ」
大「Aの為ならそんなの捨てれる」
二「……ていうか、その理屈なら結婚相手は他の誰かでもいいんだよね」
相「俺らの中の誰かでも？」
なんだか話がややこしくなってないか？？
松「いや、皆待ってよ。リーダーの言ってることも一理あるけどさ……結婚だよ？一生を添い遂げるんだよ？それをこんな一夜でホイホイと、」
大「じゃあ松潤はAの居ない嵐で歌える？」
痛いところを突かれて口をつぐんでしまった。
絶対に歌えない。
Aちゃんという存在は間違いなく嵐という六芒星の一片を担っていて、彼女が居ない嵐は嵐じゃない。
大「俺以外の奴でもいいのかもしれないけど……多分Aをアイドルで居させられるのは俺だけだと思うよ」
結局俺らはリーダーに頼るしかないのかもしれない。
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作者名：藻くずちゃん | 作成日時：2021年12月30日 22時
