お仕事をする若造騎士�� ページ8
一頻り俺を罵って満足したようなロゼが目の前に座る。
他の連中ともども休憩を入れさせているので必然的に休憩時間。
セシリアは先輩達に引っ張られて食堂へスポーツドリンクを取りに行かされていた。
部下達に聞こえない距離にこれ幸いとロゼがにやけ顔で迫ってくる。
この顔の時は大抵ロクなことを言わない。
「モテモテの騎士様や。その後の進捗聞いてないけど前々から狙ってる酒場の店主は落とせたのか？」
「…黙秘権を行使する。」
「あれ？もしかしてフラれちゃった？」
「ま、まだフラれてはない！」
思わず声が大きくなってしまったのを慌てて抑えて押し黙る。
運がいいことに部下達の耳には届かなかったようだ。
面白いものでも見たといわんばかりにロゼがにじり寄ってくる。
「まだってことはアタック継続中か。相手にされてないとか？」
「グッ…！」
「あっちゃぁ。」
心にグサッと来た一言。
俺の恨みがまし気な目線を意にも介さないロゼは楽しそうにジロジロ見てくる。
幼い頃から俺を知っているロゼからすれば意外なのだろう。
お付き合いとまではいかなくても紳士的な対応で男女問わず社交の場で相手をしてきた。
貴族としての義務のような其れでもお相手が本気になってしまうケースが多々あった。
その手練手管を駆使すれば恋愛において無敵のはず。
何故もたもたしているのだといわんばかりの視線。
将来が約束され、身分も申し分なく、その英雄譚たるや知らぬ者はいない。
軍神と謳われた偉人の父とその美貌を称えられた優しき母を持つ。
アルマ・フォン・ヴィクトリアに愛をささやかれてしまえば頷かない人はいないはず。
しかし数か月前から恋知らぬ青年のように初々しいアタックを続けている。
よく言えば素直でまっすぐ。
悪く言えばやかましい。
どんな理由でそんな遠回しなことをしているのだと聞きたくなるのは当然の帰結だ。
「ギルさんだっけ？あの人、アルマのことどのぐらい知ってるんだよ。」
「あの人は酒以外の話題に興味がない。ヴィクトリア家の一人息子と知っていてもそれほど気にしてないみたいだ。ダウンタウンにはそもそも身分なんてないって。」
「あそこは強くて残忍で狡賢い奴が頂点に立つ街だからなぁ。それはダウンタウン独特の感覚だ。」
一度「烏合の衆」へ行ったことのあるロゼはギルさんに会ったことがある。
しばし思い悩んだ後ロゼがにこやかに言い放った。
「よし。今夜は俺も店に行く！」
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
