悪戯される若造騎士�� ページ22
「プークスクス！」
「プークスクス。」
ロゼを真似てギルさんが片手を口に当てたまま言葉だけを吐く。
態々倒れ込んで動けないままの俺の横を陣取って言ってくるあたり馬鹿にされてる感が半端じゃない。
いやそこも愛らしいし可愛らしいのだけれど。
「はは…俺はついに幻覚が見えるように…。」
「ギルさんは本物ですヨ。何なら脱いで証明してやろうか。」
「やめてください！！」
シャツに手をかけたギルさんを急いで止める。
穢れないほどに真っ白で艶やかなお腹が一瞬だけ視界に映って無意識に括目してしまったが理性を総動員して抑え込む。
ダメだ俺。魅惑的な肌があっても決してむしゃぶりついてはいけない。
騎士として！紳士として！男として！！
「本物のギルさんだとして！なぜこんな飢えた獣の巣窟へ来てしまったのですか！」
「ちょっと。騎士は節度と秩序を守る存在で飢えた獣という表現は実に不適切だと思います！」
「黙れ獣代表！ダメですギルさん。ダウンタウンまでお送りしますので帰りましょう。」
いつもと変わらない表情のギルさんの肩を強くつかむ。
「えぇ…獣代表って…。」とうじうじするロゼなど視界に映らない。
夢のような現実よりギルさんの身の安全の方が重要だ。
剣を振り回す野蛮人がギルさんに襲い掛かったらどうしてくれる！
「騎士は軟弱者ばかりですが鍛えているのは確かです！抵抗虚しくあんなことやこんなことされてしまう前に！」
「お前がしたいだけだろ。」
「グッ！！いや！俺は別にギルさんに野蛮なことをしたいわけでは…！」
椅子から転げ落ちて床に這いつくばる間抜けな体制のままロゼに痛いところを突かれて転げまわる。
もうさっきからボロボロだ。
騎士としての威厳あふれる姿などどこにもない。
両手で痴れ者たる俺の顔を覆う。
自分が情けなくて仕方がない。
「いっそ殺して…。」
ため息を吐いたギルさんの気配が動き、俺の頭に暖かい掌。
酒場で感じていた落ち着く体温が伝わってきて胸いっぱいに幸福感が広がる。
「俺が来たら迷惑だったか？」
「迷惑なんてそんな！！」
ギルさんがすること成すことで嫌なことも迷惑なこともない。
いつになく真剣な声のギルさんに慌てて両手をどけて顔をギルさんに向ける。
ニヤリと悪党の笑みを浮かべられた。
「"俺は今虫の居所が悪い。用があるなら出直してくれ。"」
俺の口調をギルさんが真似て最後に鼻で笑った。
「いっそ殺してぇぇぇぇ！！」
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
