悪戯される若造騎士�� ページ21
邪魔くさい金色の髪をかきあげた午前十時過ぎ。
父上譲りの青い目と母上譲りの金髪が鏡に映るたびため息を吐きたくなる。
別にこの色合いが気に入らないわけじゃない。
目立つという点を除けば自慢の両親から受け継いだ愛すべきものだ。
だが鏡を見るたびに真反対の漆黒を宿したギルさんを思い浮かべてしまう。
願わくば艶やかなあの人を近くで感じていたい。
あーここにギルさんが居たらなぁ…。
広げっぱなしの処理済みの書類をまとめて封筒に入れ、ハンコを押して項垂れる。
何度鏡を見たって同じで無意味だと手鏡をしまって万年筆を手に取った。
…と同時に三回のノック。
出鼻をくじかれるとはまさにこのことだ。
ちょっと不機嫌気味に低い声で入室許可を出せば見慣れた赤毛が目に映った。
なぜか半分を開けて身を滑らすように入室する。
まるで後ろに誰かいるかのように決して背後は見せない。
「何用だ。ロゼ・ウィルソン副隊長。」
「うわっお前も機嫌悪いのかよ。」
「"も"？誰と一緒にされているのか知らんが俺は今虫の居所が悪い。用があるなら出直してくれ。」
「んーそういうわけにはいかないって言うか…ちょっと、笑わないで上げてくださいよ。」
やはり後ろに誰かいるようでこそこそやり取りをしている。
お客人にしては気さくな態度だ。
愛しのギルさんにあと数時間は会えない俺への当てつけなのか？
ぶった切るぞ？
「いやね。お客さんが来てるんだよ。アルマのさ。」
「俺の？客人がくるなどの知らせは受けていないが。父上関係か？」
「あの人はいつも唐突だけど今回は違う人。入室許可が出ましたよ。どうぞ。」
いや別に入室許可などしていないんだが。
しかし父上関係ではないお客人とはいったい誰だ。
俺の仕事場に来るほどの関係を持った人は…一人も…いな…！？
「お邪魔しマース。ギルさんが遊びに来てやったゾー。」
「はわぁぁぁぁぁぁぁぁ！？！？！？」
どんがらがっしゃんッ！など生ぬるい擬音では表現できない惨事。
具体的に言えば俺は椅子ともどもひっくり返った。
え？なに？なんで！？
ギルさんが俺の職場に？？
え？恋い焦がれすぎて幻影が見えるようになった？
俺ヤバいやつでは？？
「あははははははは！！アルマくくっ！椅子からぷぷ…落ちるとか！！プークスクス！！」
ロゼはあとで細切れにする。
「さすがにそのリアクションは予想できなかったわァ…。」
ああ、ギルさんのドン引きの声が…。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
