悪戯を仕掛ける酒場の店主 ページ20
滅多に当たらない日差しにげんなりする午前十時。
なぜ俺が仕入れ以外にアップタウンへ出なければならないのだと愚痴を言う元気もなく事前に手に入れた情報を元に目的の場所へ訪れた。
ここへ来れば案内人が来てくれるはずなのだが…。
「おお、本当にアップタウンに来てる。」
「遅い。」
「あれ？なんかめっちゃ不機嫌？」
普段何とも思わないロゼの声が煩わしく感じる。
陽に焼けない真白な肌を人が見れば幽鬼のようだと思うだろう。
人工的に作られた照明にしか当たらないダウンタウンで生活している連中は陽の光に弱い。
表現するなら消毒されている気分だ。
「ギルさんから騎士団の詰め所に来たいって言ったんでしょう。ほら、行きますよ。」
「チッ。サッサと歩け。」
「いつにも増してガラが悪いなぁ。」
ロゼの尻を蹴り上げてさっさと屋内へ入れろと促す。
そう、今日はデートの日とはまた別の日。
アルマの我が儘を通すために奔走した俺は鬱憤がたまった。
それはもう腹が立つ野郎と何度も顔を合わせる羽目になったのだから機嫌も悪くなるというもの。
ので、元凶たるアルマにこの鬱憤をぶつけに行きます。
ええ。完全に八つ当たりですそれがどうした。
俺のこと愛してるならこの程度のお茶目な悪戯許してくれるよなぁ？
「ギルさん、騎士団内ではくれぐれも大人の対応。よろしくお願いしますね。」
「わぁってるよ。そこまで常識なしじゃねぇって。」
案内されるがままに詰所を歩くが騎士一人とも出くわさない。
話を聞けば今は街の見回りに出ているものが多く、常駐している騎士は早めの昼食中。
昼に帰ってきた奴らと交代で見回りに行くらしい。
騎士も大変な仕事だ。
アップタウンでは当たり前でもダウンタウンでは少し早い出勤時間。
肉体労働ともいえる見回りに日々の鍛錬。
俺だったら絶対ゴメンな業務内容だ。
酒場の休みはその月最初の気分で決める。
何日以内と決めはすれど休みが多い方だろう。
それで採算が取れているのだから不思議なものだ。
「ここがアルマの執務室です。一応お偉いさんですからね？」
「言ったらおめーもだろうが。つーか知ってるし。知らねぇふりするけど。」
「うわぁ…ギルさんは演技ウマいからなぁ…。」
「ヘッ。せいぜい慌てふためくがいいゼ。」
他の扉よりも頑丈で装飾が施されている扉をロゼがノックする。
中から聞きなれた間抜けな声よりも厳つい声が聞こえて、自然と口角が上がった。
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午睡(プロフ) - 空弥さん» ご感想ありがとうございます！早めの更新を心掛けて頑張ります！ (2019年2月26日 19時) (
レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
午睡(プロフ) - ナッツさん» ご感想ありがとうございます！とっても励みになります…！ (2019年2月26日 19時) (レス) id: 3cc312a385 (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - 絡みがすごく可愛らしくて好みです……！作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます (2019年2月24日 13時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - 好きです!!!最高です！続きめっちゃ気になります！更新楽しみにしてます!!!!!!! (2019年2月24日 3時) (レス) id: 7b2bfdb44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午睡 | 作成日時：2019年2月18日 19時
