悪魔の魅入り子、悪魔の見初め子<第三体育館組>

第１０話 ページ12

黒尾side

来た……

俺たちの今後の話

一番いいのはただの雑用係

まあ、無理だな

とりあえず生きていれたら良しとしよう

アイツを見る限り、変なものの実験台が一番可能性が高いか……

アイツは俺たちを席に着かせると、驚くようなことを口にした

貴「さて、結論から言おうか
　 くだらないものを考えているとは思うけど、大ハズレだ
　 別に玩具にしようとか、実験台にしようとか考えてない
　 ただ、お前たちの目が面白かったから買ってみただけだ」
赤「目、ですか？］
貴「あの状況下でも決して自分を見失わない目、だよ
　 普通ならあんな境遇に置かれた奴は心が壊れ、狂う
　 お前たちは違う
　 そこに惹かれたのさ」

コイツ、今までのやつとは違う

どういったらいいのかはわからないが、とにかく違う

貴「主従関係、敬語等、堅苦しいものはなしだ
　 俺とお前たちとは対等な関係だ
　 気を使う必要はない
　 いいな？」
月「はい、……うん」
木「で、俺たちはこれからどうしたらいいんだ？」
貴「これから1週間の間にここに残るか、外へ出るか
　 どちらか選択してくれ
　 ちなみにここに残るなら、働かざるもの食うべからず、だ
　 何かしら手伝いはしてもらう」
黒「例えば？」
貴「そうだな、普段の家事、外の庭整備とかかな」
赤「実に家庭的ですね」
貴「一人暮らしだから手が回らないんだよ
　 察してくれ」

要するにただの同居だな

なんか気構えていた俺がバカみたいだ

木「こんな広いところに一人暮らしなんてスゲーな
　 貴族かなんかか？」
貴「そんなのじゃない
　 まあ、お前らと一緒でいろいろ訳ありなんだよ」
黒「それを聞いても？」
貴「別に構いやしないが……
　 全部話すと夜遅くなるから、簡潔に言うな
　 これを聞いたら、今日は寝ろ
　 疲れたろ」

そういうと、しばらく口をつぐんだ

相当なことなのか

貴「はあ、あんまり言いふらすなよ



　 俺もお前たちと同じだ
　 ある貴族に買われ、ここに連れ込まれた
　 そいつは一人でな、ある日、出掛けて行ったっきり帰ってこない
　 それから長い月日が流れ、今に至る
　


　 これでいいだろ
　 はい、今日はおやすみ」

俺もほかのやつらも驚いていた

だって、俺らと同じなんて思わないだろ


そして、アイツに追い出されるように寝室に案内され就寝した

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