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「下位吸血鬼は基本的に血を飲まれたサーヴァンプに対して忠誠を誓うの。私にも勿論居る。......お前はどうだっけ？」
「おるわ下位吸血鬼の一人や二人くらい！」
「そう。人間を拾うようになったの。」
肉にナイフを入れる。じゅわ、と赤い肉汁が染み出してきて、気持ち悪い。こいつは人間を下位吸血鬼にするような奴だったっけ。
「......そろそろ、自分のリューゲンベルクに顔を出しにいかなきゃいけないんだけれど。」
ふと、自分の下位吸血鬼たちの顔を思い出す。七人の大人と、沢山の子供たち。私を''ムッティ''と呼ぶ可愛い子供たち。
「......なぁ、それって俺も行けるん？」
「オスマンさんが敬語解いてる......！」
オスマンは今まで外面モードだったのだろう、ぴくと皇子は驚きながらまるで貴婦人のように口に手を当てて見せた。
「勿論......というか、オスマンは一緒に来てもらわないと困る。」
「限界距離なぁ。」
再び煙草をふかそうと、ジッポに火をつけたきょー。僅かに魔力を使い、力で空気を押せば直ぐにそんなもの消えてしまうわけで。またもやきょーはじっとりと此方を睨んでくるばかりであった。
「サーヴァンプと主人は一定距離離れて十二時間経つと、両方動物になっちゃうの。まぁ人間としての行動が制限されるって訳。なんにもできなくなるわよ。」
「俺が......」
私たちは猫に、この場にいるもう一組の彼等は豚に。それぞれサーヴァンプは違う動物の姿を持っている。限界距離は......この部屋から門まで、といったところか。別行動は絶対に出来ない。絶対に守っておきたいルール、とも捉えられるだろう。
「それで、限界距離をとったまま二十四時間が経過すると......」
「......すると............？」
話の続きを促すと同時に食事を終えたのか、ひとらんらんは小さな音を立ててカトラリーを食器に置き、顎にかけていたマスクを再び上げた。大きくつけられた赤いバッテンは、一体何者を否定しているのか。
周りを見渡せば、殆どの人が食事を終えている。はぁ、と一息、また溜め息をついた。
「......まぁ、どうにかなるのよ。」
「......せやな。限界距離なんて別行動でもしない限り発生しない。知らん方が......ええかもなぁ、まだ。」
まだ。何れ、話すことになるかもしれない。聞くことになるかもしれない。......知ることに、なるかもしれないから。
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myona859(プロフ) - コメ失礼します！この作品、漫画のSERVAMPを真似していますか…？誰も知らない兄弟がいたり、名前を呼んだら仮契約したりする所が似ているので…違ったらすみません！ (2020年4月7日 17時) (
レス) id: b40e1d4ca9 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 貴方の作風、この作品の設定、もう全部に惚れてしまったのでコメしてしまいました。応援してます、続編待ってます！ (2020年2月12日 23時) (レス) id: ee6d8feaa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなし | 作成日時：2020年1月4日 11時
