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「誰だっ！？」
トントンが眉間に皺を寄せ叫ぶように空に尋ねると、食堂に何処からか聞き覚えのない声が響く。ロボロは周りを見渡し、トントンはグルッペンとぴくとを背に回す。ひとらんやコネシマ、シャオロンは持ち前の反射神経で日本刀、剣、シャベルとそれぞれ小さな金属音を立てて武器を構える。グルッペンは、動かぬまま。......しかし、周りをいくら見渡しても声の主は見当たらない。俺達は仮にも幹部。察知能力は一級品のはず。しかし、人の気配は一切しない。
『違う違う。こっちだっての。か・が・み』
鏡。此の部屋にある鏡は一つだけ。長い机のちょうど真ん中辺りの、扉の逆側の面。人三人が同時に全身を確認できるくらいの大きい鏡。全員が思わずそちらに注目すれば、ぽわ、と『鏡の中』に人が現れる。
『やっほー。』
「おまっ......どこにおるんや！！出てこいや！！」
『俺は此処にいるよー。鏡のな・か。』
長いブロンドに赤い目をした女学生。......否、スカートを履いているものの、声と肩の骨格からして分かり辛いけど男。身軽そう......というより、羽が生えているように鏡の中でくるりと回れば、髪も重力に逆らいふわふわと揺れる。
「なんやこれ、どうなっとるんや......？」
シャオロンはシャベルを構えながらもゆっくりと鏡に近づく。大先生ですら未知の現象に懐の拳銃に手を伸ばしかけていた。それを見て、俺は椅子をかたりと鳴らしてそれらをゆっくり制しながら、鏡の中の人物に話しかける。
「自分......何処かで......」
聞き覚えがない。それは確か。だけれど確かに、彼の姿に見覚えがあった。にやにややと此方を見てくる彼。自らの言葉でその疑惑が確信に変わる前に、それは遮られた。
「なんや、何全員で突然鏡見とんねん。鏡の魔人でもおるんか？」
食堂に集まった面々が警戒心を強める中、きょーだけは、ぽかんとした顔で新しい煙草に火を灯す。鏡の魔人、と呼ばれた彼は、相も変わらずにやにやしながら重力を無視しくるりくるりと回り続ける。
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myona859(プロフ) - コメ失礼します！この作品、漫画のSERVAMPを真似していますか…？誰も知らない兄弟がいたり、名前を呼んだら仮契約したりする所が似ているので…違ったらすみません！ (2020年4月7日 17時) (
レス) id: b40e1d4ca9 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 貴方の作風、この作品の設定、もう全部に惚れてしまったのでコメしてしまいました。応援してます、続編待ってます！ (2020年2月12日 23時) (レス) id: ee6d8feaa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなし | 作成日時：2020年1月4日 11時
