懇願 ページ19
「うわ、ほんとにA強くなったね」
「いや、なんか今日たまたま冴えてる」
ゲームが終わり、トランプを片付けながら、彼女は笑った。
「ねえ、A」
「ん？」
私が顔を上げると、未散は真剣な顔で、私を見ていた。
「直感とか、本能って、大事だよね」
その表情に、気圧されて頷いた。
私が頷いたのを見て、未散はホッとしたように微笑んだ。
「……そろそろ、帰らなきゃ」
「……え」
まだ一回しかやってないのに？
「……じゃあ、またね」
手を振って、部屋を出ていこうとする彼女を、私は捕まえた。
「……またって、いつだよ」
「……A」
「私の直感とか、本能が、君を止めろって言ってる」
そんな顔を、しないでくれ。
泣きそうな顔で、笑うのはやめてくれ。
「……このトランプ、あげる」
「……え」
「だから、忘れないでね」
そう言うと、未散は、私の手を振りほどいて、走って行ってしまった。
「……待ってよ」
残ったのはトランプだけだ。
まだほのかに温かいトランプを、私は握りしめた。
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Niko(プロフ) - 続きがある......！まさかまた続きが読めると思わなくて驚きと感動で胸がいっぱいです......！ (7月24日 1時) (
レス) @page34 id: e6a8d0ae57 (このIDを非表示/違反報告)
チップ - すごく楽しみです！更新待ってます^_^ (2021年12月12日 22時) (レス) id: d533d9fa91 (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki(プロフ) - ドキドキする展開です！続きが気になります^ ^ (2019年1月25日 1時) (レス) id: 2709160c1d (このIDを非表示/違反報告)
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