【名前変換オリジナル】記憶保有期間、一年。

髄液検査 ページ43

「そこの台に横向きで寝なさい」

深見先生に言われ、硬い台の上に寝る。
……その途中で見えた大きい注射器に、手が震える。

「……見たのか」

先生はため息をついて、私の背中をさすった。

「……大丈夫だからな。すぐに終わる」

不器用な優しさに、少しだけ力が抜ける。
今日は二人とも妙に優しい。
……もしかしてめちゃくちゃ痛いのだろうか。

「身体を丸めて。……そう、上手だよ」

かちゃ、と音がする。
身体が震えて、ぎゅっと目を閉じた。

「……刺すからな」

ぐっ、と針が背中に刺さる。

「！！あ、ぁああ」

針はぐりぐりと何かを探すように、深くまで刺さる。
相楽先生に押さえられた手足が、シーツにしわを作る。

「いたい、先生、！！」
「もう少しだけ我慢だよ、一条」

釘を打たれているみたいな痛みに、身悶える。

「……はい、終わりだ」

背中にガーゼを貼られても、まだ腰は痛んだ。
丸まったままで泣いていると、頭を撫でられる。

「頑張ったな」
「お疲れ様」

ゆっくりと目を開くと、

ウサギのパペットが目の前にあった。

「……Aちゃん、頑張ったね！もう痛いのは終わったから泣かないで」

私と相楽先生は同時に吹き出した。
明らかに無理がある高い声だ。
深見先生はものすごく恥ずかしそうに顔を背けている。

「……深見先生、ありがとうございます」
「…………俺じゃない。このウサギだ」

二人→←気遣い

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