【名前変換オリジナル】記憶保有期間、一年。

宣告 ページ39

朝の回診で、深見先生が部屋に入って来た。
いつも通り心音を聴いたり喉を診たりした後で、先生は口を開いた。

「今日の午後に検査をする」

丸椅子で回りながら遊んでいた私は、椅子を止めた。

「……どんな？」

先生は黙って私を見つめている。
……嫌な予感だ。

「なんで、教えてくれないんですか」

先生は溜息をつき、立ち上がった。
背中に腕を回され、硬直する。
服を捲られ、腰に何かが貼られた。

「ここに」

低い声が耳元で呟く。
腰を優しく撫でられた。

「大きい注射をして、中の液体を採取する」

ゾッとして背筋が冷える。
無理だ。
首を振って、先生の白衣を掴んだ。

「……嫌だ」

先生は何も言わずに私の背中を撫で続けた。

「もう、痛いのなんてやだっ！別に病気じゃないんだから、やらなくてもいいだろ！」
「……A」

窘めるように名前を呼ばれる。
嫌なもんは嫌なのだ。

「絶対にやらない！」

顔を上げて深見先生を睨みつけると、大きな手が頬に添えられ、伝っていた涙を拭う。

「……三時に迎えに来る。それまでに準備をしておけ」
「嫌だ！！」

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