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直接 ページ31

「……いやだぁ、」

我ながら最高に情けない声で、相楽先生に駄々をこねる。

「……ちょっとだけ頑張ろう、ね?」

優しい手に頭を撫でられる。
私は諦めて、コクリと俯いた。

「よし、それじゃあ麻酔打つよ」

親指の付け根にぶすり、と針が刺さる。

「……っ!!あ、ぁあああ!!」

暴れそうになるが、深見先生に押さえられているのでどうにも出来ない。

痛い。普段の注射とは比べ物にならない痛みだった。

暫くしてやっと針が抜かれる。

「よく頑張ったね。……でもまだもう一本あるんだ」

無理だと言いたかったが、嗚咽のせいで上手く言葉が紡げない。

「もう一本は深見先生に打ってもらおっか」
「……次は傷口に直接打つ。頑張れるな?」

直接?

「……は……?」

深見先生は私を見つめる。
泣きながら首を振るが、先生は手を放してくれない。

「……10秒だけ我慢しろ。さっきよりも痛いからな」

注射器が傷口に近づく。
恐怖で息もできなくなりながら、私はただその様子を見ていた。

「……いい子だ」

ぐっ、と針が押し込まれる。

「〜っ!!」

痛くて痛くて、声が出ないままで、私は目を瞑った。
相楽先生が背中をさすってくれる。
涙がぽろぽろと落ちた。

「あと少しだからな」

深見先生の声が優しい。
助けて、と心で叫びながら、私は近くにいた相楽先生の白衣を掴んだ。

「……よし。お疲れさま。終わったぞ」

嫉妬→←切り傷



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ステラ - 信じられないほどドキドキします(?)主さんの作品がめっっっちゃくちゃ好きです!!!最高です!!楽しみが増えました! (2022年6月4日 9時) (レス) @page50 id: 1d9e4d2339 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - 続きが楽しみです! (2018年10月18日 23時) (レス) id: 7188a9c310 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか(プロフ) - 前の作品から大好きです!!続き楽しみです! (2018年7月1日 17時) (レス) id: 7a5dbc0816 (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - 猫ザクラさん» 飛び上がりましたか笑 ありがとうございます。これからもぜひ読んでくださると嬉しいです(  ̄▽ ̄) (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - ハジメマシテさん» 様付けされるような者じゃないんで!!笑 書くのは楽しいので時間のある時にコツコツこそこそと……。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タケノン | 作者ホームページ:http  
作成日時:2016年3月27日 16時

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